経済省では、今年上半期は国内経済停滞で輸入が予想下回っていたが、下半期は鉄鉱石価格の上昇や中国向け牛肉輸出増加などの要因で、2019年の貿易収支黒字は前回予想の500億ドルから567億ドルに上方修正、輸入総額は2.0%増加、輸入総額は1.9%増加をそれぞれ予想している。
経済省貿易担当のルッカス・フェラス長官は、今年第2四半期の国内経済はグローバル経済の停滞を反映して国内経済の回復が遅れていると指摘、6月の貿易収支黒字は、前年同月比4.2%減少の50億1,900万ドルに留まっている。
今年6月の輸出総額は前年同月比0.83%減少の180億5,000万ドル、輸入総額は0.51%増加の130億3,000万ドル、今年上半期の輸出総額は1.8%減少の1,109億ドル、輸入総額は0.8%増加の837億8,000万ドル、貿易収支は前年同期比8.9%減少の271億3,000万ドルとなっている。
今年上半期の輸出総額は、鉄鉱石の国際コモディティ価格の上昇並びに中国向け食肉需要増加で、予想を下回る落込みとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。
ブラジル貿易会(AEB)のカストロ会長は、今年の輸出総額はアルゼンチンの為替危機による自動車輸出減少に伴って前年比8.6%減少、輸入総額は予想を上回る国内経済の停滞で2.8%増加をそれぞれ予想している。
今年上半期の第一次産品輸出は前年同期比4.8%増加の570億9,000万ドル、半完成品は0.4%増加の150億6,000万ドル、完成品は4.7%減少の387億5,000万ドルに留まっている。
一方今年上半期の資本財輸入は5.4%増加の116億8,000万ドル、中間財は1.9%増加の501億3,000万ドル、消費財は6.4%減少の118億6,000万ドル、燃料・潤滑油は0.9%減少の100億8,000万ドルとなっている。
今年上半期の完成品輸出は、アルゼンチン向け自動車輸出が大幅に減少したために落込みを記録しているが、下半期もこの傾向は続くと予想、昨年上半期のアルゼンチン向け自動車輸出は、30億4000万ドルから今年同期は19億5,000万ドルに減少していると産業開発研究所(Iedi)エコノミストのラファエル・カグニン氏は指摘している。
今年上半期の大豆輸出は、今年の輸出予想7,200万トンの63%をすでに輸出済みとなっているが、昨年の大豆輸出は8,300万トンを記録していた。今年の鉄鉱石並びに石油の国際コモディティ価格が予想を上回っているために、農産品輸出減少を補うと予想されている。(2019年7月2日付けヴァロール紙)