今年1月25日のヴァーレ社ミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故発生、更に2月初めのミナス州最大の鉄鉱石生産を誇るブルクツ鉱山のラランジェイラス鉱滓用ダムの操業許可停止などが相次いで、保全対策が等閑にされている鉱滓用ダムの不良が相次いで発覚して、ヴァーレ社ではミナス州内の10カ所以上での鉄鉱石減産を余儀なくされている。
ヴァーレ社のミナス州内の鉄鉱石減産に伴って、ブラジルの鉄鋼メーカーに供給していた微粉鉱石に水と粘結剤を加えて直径10~30mmの球状にして、焼き固めたペレットの供給が懸念されている。
南東部地域のペレット生産は唯一Vargem・Grande工場で生産を続けているも、年間1100万トンのペレット供給に赤信号が灯っており、ヴァーレ社ではマラニョン州サンルイス港からのペレット供給を検討している。
しかし南東部地域の鉄鋼メーカーへのマラニョン州サンルイス港からペレット供給は、リオ州Itaguai港若しくはエスピリット・サント州Vitoria港まで、1トン当たり20ドル~30ドルの輸送コスト高になる。
今後30日間以内にペレットの供給が停止されれば南東部地域の鉄鋼メーカーの中には高炉の停止を余儀なくされる可能性があるとブラジル鉄鋼院(IABr)のマルコ・ポーロ・ロペス会長は指摘している。
南東部地域の鉄鋼メーカーは、ヴァーレ社から需要の50%に相当する年間1500万トンの鉄鉱石と需要の92%に相当する1100万トンのペレットを供給されている。
CBF Industria de Gusa社では月間4万5000トンの銑鉄をエスピリット・サント州ジョアン・ネイヴァ工場で生産、しかしパレット供給不足で2高炉のうち1高炉での生産中止を余儀なくされている。(2019年4月15日付けヴァロール紙)