改革における連邦政府の優先事項は雇用の促進だと連邦収税局局長がコメント。
連邦政府の優先課題に関して連邦収税局のマルコス・シントラ局長は、雇用の促進のために企業が支払う給与支払総額に対する各種租税の完全かつ永続的な免税措置を実施することだと話す。税収の落ち込みを保証するための代替策のひとつが、あらゆる支払いに対して適用される新税の創出だ。
エスタード紙(エ紙)連邦税の改革派どのようなものになるのでしょうか?
マルコス・シントラ(MC) 我々はこの連邦税改革を提案する。連邦政府のプライオリティーは給与税(一般的に、企業は給与支払総額に対して20%に相当する金額を社会保障サービス:INSSに対して納付している)の減税だ。この給与税は失業率につながるが、同時に、社会保障サービスの重要な資金源である。ただその基盤、すなわち雇用者分担金は、現代社会のありようから大きな影響を受けている。すなわち、消滅しつつあるということなのだ。正規雇用、すなわち労働手帳に記載された雇用関係は、脅威にさらされている。現在、自営業の人もおり、非正規雇用と正規雇用の両方で同時に雇用されている人もいる。生活の中でウーバー・ドライバーをしたり主夫をしたりということだったり…。私たちは現在の基盤をよりしっかりしたもの、すなわちより安定し雇用創出につながるようなものにする必要がある。賃金への課税はもはやできるものではない。賃金に関する唯一の課税は所得税になるだろう。
エ紙 それはどのような方法で実現するのでしょうか?
MC 考えとしては、雇用者分担金をINSSの財源の基盤から排除して別のものに置き換えるということだ。我々には、現時点で給与税と同額の歳入を確保するのに、2つの代替案がある。平たく言うと、連邦単一税(Imposto Único Federal)あるいは付加価値税(IVA)の導入だ。
エ紙 その消費税とはどのような仕組みでしょうか?
MC 金融取引暫定賦課金(CPMF)ではない。異なるものだ。より広範囲を対象にする。銀行制度外の、すべての、そしてあらゆる経済取引に及ぶ。CPMFの課徴は単に銀行制度内の取引を対象にしていた。例えば、バーター取引はCPMFの対象外だった。紙幣を使用した取引も同様に対象外だ。それをどのように当局が把握するのか? 法律は次のように記されるだろう。すなわち、銀行を通じたものであれ、クレジットカードであれ、為替であれ、現金払いであれ、すべての、そしてあらゆる支払いに対する税金である。それは、未来の税金だ。
エ紙 どのようにその税を課徴するのでしょうか?
MC 例えば、私が自動車を売る。現金で5万レアルを私は受け取る。購入者の名義で車両を登録する際、この金額に対応した支払いの証明が求められる。仮に私がマンションを農場に交換するなら、登記をする時点で、納付しなければならない。
エ紙 一部の業界が負担しているINSSに関しても終了するということでしょうか?
MC 農業従事者支援基金(Funrural)と公的社会支援諸機関(Sシステム)を含めた社会保障制度に対する公的資金の投入と、給与税の負担は終了する。
エ紙 社会保障制度に対する財源の確保について、あなたはどういう選択肢が好ましいとお考えでしょうか?
MC 消費税だ。税率が高いほど、脱税に対してインセンティブを与えることになる。租税回避、脱税は、税率と正比例の関係にある。私は、低い税率を設定した消費税が好ましいと受け止めている。今のところ、まだ試算を重ねているところだ。税率は0.8%から1.2%になるだろう。この場合、連邦単一税の税率を引き上げる必要はない。(商品サービス流通税:ICMSのような収税とサービス税:ISSのような市税のような地方自治体の租税も統合した)全国的な規模の付加価値税(IVA)が認められるのであれば、その統合は即刻、行われるだろう。
エ紙 連邦単一税はどのような税金を置き換えるのでしょうか?
MC この税金は、社会統合計画負担金(PIS)と社会保障負担金(Cofins)、工業製品税(IPI)、規制外になっている金融操作税(IOF)の一部の廃止につながる。CPMFの終了に伴い連邦政府は、あらゆる金融操作に対して0.38%を課徴するIOFを導入した。これには、特定の規制が存在しない。CPMFの廃止に伴い代替の税収を生み出すべく設立された代替措置だ。これも終了する。純利益に対する社会納付金(CSLL)の代替として連邦単一税の中で置き換えるか、社会保障制度の財源として振り向けられる。
エ紙 改正はいつ施行されるのでしょうか?
MC 私は、2019年上半期内には全国IVAの法案をまとめられると確信している。この法律がより複雑かつ議論には市長と州知事もかかわってくるため、過去30年の経験から見て、最初の6か月あるいは1年で可決するのは難しいと考えている。私の予想だが、現政権の後半には連邦単一税の問題に着手できているだろう。
エ紙 すると連邦税の設立と給与税の非課税化については、2020年から始まるという可能性があるのでしょうか?
MC それは国会の審議次第だ。このプロセスは、きわめて冷静かつ異論もそれほどでないものになるだろう。2019年末までに、2020年から施行すべく可決すると私は考えている。ただ、移行期間が必要になる。一度で完全に完全に税目を廃止するのではなく、まず半減させ、その3か月後に、税率を判断し、残りの半分を廃止する。
エ紙 小・零細企業向け税及び賦課金統合納付制度(Simples)及びその他の特別税制はどのようになるのでしょうか?
MC 特別制度として4分類する。マナウス・フリーゾーン(ZFM)を保全するための特別制度を創出する必要がある。これは、何らかの税制優遇措置を保証するというだけにとどまらず、地域開発政策と結びつけることを視野に入れたものだ。ZFMは、工業団地と無視できないほどの人口を抱える。またSimplesは引き続き存続させる。第3の特別税制区分は、銀行業界及び証券業界、物流業界である。世界のどこを見回しても、銀行は伝統的なIVAを通じた課税が行われていない。第4の特別税制区分は、土木建築業界である。
エ紙 しかし、医薬品と食品を同様に課税するのでしょうか?
MC そうなる。ただ、連邦収税局には会計監査用電子式販売伝票(Nota Fiscal Eletrônica)があり、我々がサービス伝票を発行する。連邦政府には、非課税措置を受ける閾値に収まるすべての家庭の消費プロファイルがある。該当者は、単一の税率で食品を購入する。月末にその人は販売伝票をまとめ、それが登録されることで該当者に発効された伝票が集計され、還付金を受け取る。
エ紙 それがブラジルで機能するでしょうか?
MC 機能する。消費者は、購入時に自身がそれを購入したことを登録するよう、正規の販売伝票の発行を求める必要がある。
エ紙 そうすると免税措置は終了するのでしょうか?
MC 完全に。PIS及びCofinsは、ロビー活動によって可決した何100という特例があり、もはや誰にも理解できないような法令を生み出した。わずか1社にしか恩恵が及ばないような税制優遇策すら存在する。
エ紙 サービス業界はIVAに賛同するでしょうか?
MC 給与税減税のために賛成することに賭けよう。そのために私は、この2つを同時に提案するつもりだ。(2019年4月11日付けエスタード紙)