昨年のブラジル人の一人当たりのGDPは米国の僅か1/4まで縮小

ブラジルの過去10年間の経済成長伸び率が他の発展途上国よりも低く、また3年間の経済リセッションで大幅に後退しており、1980年のブラジル人の一人当たりの国内総生産(GDP)は米国の40%相当であったが、昨年は1/4に相当する25.8%まで減少して、ブラジル国民の購買力平価(PPP)が減少してきている。

また1980年のチリ人の一人当たりの国内総生産(GDP)は米国の27.4%に留まっていたが、昨年は41.5%まで上昇、前記同様に韓国は17.5%から66.0%まで上昇している。

1980年のブラジル国民の一人当たりのGDPは1万1,372ドルで米国の39%に相当、しかし2018年には25.8%まで減少、過去28年間の韓国の一人当たりのGDPは623%増加、チリは189%増加している。

ブラジルは2014年第4四半期~2016年第3四半期まで経済リセッションに見舞われでマイナス成長であったが、2017年並びに2018年のGDP伸び率は1.1%増加、2014年のブラジル人の一人当たりのGDPは1万5,562ドルのピークを記録、その後3年間は減少に転じていた。

ブラジルの鉱工業部門生産は設備投資不足や重税、閉鎖的な貿易政策などの要因で価格競争力や生産性が他の発展途上国よりも非常に低く、また国内経済の停滞で一人当たりのGDP伸び率が低迷している。

1990年~2018年の約30年間のブラジルの年間平均生産性伸び率は1.3%に留まっている一方で、チリは3.0%、インドは5.0%、中国は8.8%と大きく水を開けられて益々一人当たりのGDPが低下している。

2018年の韓国の投資総額はGDP比30%相当であったが、ブラジルの投資総額はGDP比15.8%と半分に留まっており、経済協力開発機構(OECD)の生徒の学習到達度国際調査プログラム (PISA)でも韓国に大差をつけられている。

2018年の一人当たりのGDP比較では米国5万5,650ドル、韓国は3万6,756ドル、チリ2万3,092ドル、メキシコ1万8,312ドル、アルゼンチン1万8,255ドル、中国は1万6,097ドル、ブラジルは1万4,359ドルでコロンビアの1万3,283ドル並びにペルーの1万2,643ドルを辛うじて上回っている。(2019年5月21日付けヴァロール紙)

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