今月6日連邦最高裁判所(STF)は国会の承認なしで、連邦公社子会社の民営化を承認した一方で、母体となる主要連邦公社の民営化には、国会の承認を得なければならないと決定した。
ペトロブラス石油公社は、石油・天然ガス関連の輸送ロジスティック会社Transpetro社やBR DISTRIBUIDORA社など36社の子会社を擁しており、ペトロブラスは、積極的な自社資産売却で269億ドルに達する資金調達が容易になると金融市場関係者は予想している。
先週金曜日にペトロブラスは、今年7月に傘下のBR DISTRIBUIDORA社の株価放出で80億レアルに達する資金調達を予定、また連邦貯蓄金庫(Caixa)はペトロブラスの普通株3.24%の放出を決定、72億レアル相当の資金調達を目論んでいる。
連邦貯蓄金庫(Caixa)が放出するペトロブラスの株式3.24%の30%は個人株主向けであり、今月17日~24日にかけて予約受付、株式購入最低価格は3,000レアル、最高は100万レアルに制限されている。
ペトロブラス並びに連邦貯蓄金庫の職員向けの放出株の2.0%を優先的に販売されるが、連邦貯蓄金庫(Caixa)は既にブラジル再保険院(IRB Brasil Re)を25億レアルで放出している。
連邦貯蓄金庫(Caixa)は、電力エネルギー公社Alupar社やブラジル銀行の株式放出で銀行業務に集中的に投資してエフィシエンシー向上を図るとPedro Guimarães総裁は説明している。
最高裁判所の子会社の民営化承認で、ペトロブラス傘下のTransportadora Associada de Gas(TAG)の外資系企業への売却に待ったをかけていたEdson Fachin判事は、一転して売却を承認した。
今年4月初めにペトロブラスは、Transportadora Associada de Gas(TAG)の株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却していたにも拘らず、最高裁判所が待ったをかけていた経緯があった。(2019年6月11日付けエスタード紙)