ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2019年5月の鉱工業部門生産は鉱業部門が4カ月ぶりに増加に転じたにも関わらず、製造業部門生産が低迷して前月比マイナス0.2%を記録している。
今年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故で鉄鉱石生産が大幅に減産した影響で、鉱業部門生産は1月から4月までマイナスを記録していた。
今年5月の鉱工業部門生産が前年同月比7.1%と大幅増加を記録した要因として、昨年5月下旬から11日間継続したディーゼル燃料価格値下げ要請を発端とした、全国規模のトラック運転手の国道封鎖の抗議デモの影響で、昨年5月の鉱工業部門生産は大幅に落ち込んでいた。
今年初め5か月間の鉱工業部門生産は前年同期比マイナス0.7%、5月の過去12カ月間の鉱工業部門生産は前年並みを記録、今年5月の鉱工業部門生産はピーク時の2011年5月よりもマイナス17.5%、15年前の2004年7月の水準に留まっている。
鉱工業部門生産が落ち込み始めたのは2018年下半期からであり、一般消費者並びに企業経営者の景況感の悪化による消費並びに投資低迷、アルゼンチンの為替危機、失業率の高止まりをブラジル地理統計院調査部のアンドレ・マセード部長は指摘している。
今年5月の鉱工業生産部門は前月比マイナス0.2%、前年同月比7.1%増加、過去12カ月間では0.0%、前記同様に資本財部門生産は0.5%増加、22.2%増加、4.2%増加を記録している。
また中間財生産は1.3%増加、2.3%増加、マイナス0.9%、消費財はマイナス1.8%、14.9%増加、1.0%増加、耐久消費財はマイナス1.4%、28.0%増加、3.7%増加、非耐久消費財はマイナス1.6%、11.4%増加、0.2%増加している。
今年1月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.7%、2月は0.6%増加、3月はマイナス1.4%、4月は0.3%増加、5月はマイナス0.2%を記録している。(2019年7月3日付けヴァロール紙)