ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2019年5月の自動車並びに建材を除く一般小売販売は、食料品価格上昇の影響でスーパーマーケットの小売販売が低迷して前月比マイナス0.1%を記録、自動車並びに建材を含む広範囲小売販売は前月比僅かに0.2%増加した。
しかし6月の食料品価格の減少傾向、一般消費者向けクレジット緩和、僅かながら上向きだした雇用創出傾向、新社会保障改革案の国会通過予想などが牽引して、一般消費者並びに企業経営者の景況感改善で今年下半期の小売販売は回復すると見込まれている。
パウロ・ゲーデス経済相による年金・恩給改革の承認直後に、ブラジル国内経済を活性化するための現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金引出の効果をエコノミストは指摘している。
今年5月の一般小売販売は前年同月比1.0%増加、広範囲小売販売は昨年5月下旬から11日間継続したディーゼル燃料価格値下げ要請を発端とした、全国規模のトラック運転手の国道封鎖の抗議デモの影響による落込みで6.4%と大幅に増加している。
また今年初め5か月間の一般小売販売は前年同期比0.7%増加、広範囲小売販売は3.3%増加、前記同様に過去12カ月間では1.3%増加、3.8%増加している。
今年4月の食料品・飲料セクターのインフレ指数は過去12カ月間で7.31%とピークを記録したが、5月は6.36%、6月は3.99%と大幅に減少してきており、6月の食料品・飲料セクターは0.25%のデフレを記録している。
今年5月の10セクター対象の月間小売調査(PMC)の内4セクターは前月比マイナスを記録、特に二輪・四輪セクターはマイナス2.1%、建材はマイナス1.8%、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス1.4%、燃料・潤滑油セクターはマイナス0.8%を記録している。
今年5月の燃料・潤滑油セクターは前月比マイナス0.8%、前年同月比1.6%増加、過去12カ月間ではマイナス3.1%を記録、前記同様にハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは1.4%増加、マイナス1.2%、1.3%増加している。
また繊維・衣料・履物セクターは1.7%増加、マイナス0.6%、マイナス0.3%、家具・家電セクターは0.6%増加、5.8%増加、マイナス1.5%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは0.9%増加、7.9%増加、6.1%増加、書籍類・印刷物・製本セクターは0.4%増加、マイナス16.6%、マイナス23.5%を記録している。
情報機器・事務機器・通信機器セクターは2.2%増加、3.1%増加、1.0%増加、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス1.4%、2.3%増加、6.8%増加、二輪・四輪・部品セクターはマイナス2.1%、22.3%増加、12.2%増加、建材セクターはマイナス1.8%、11.6%増加、3.8%増加を記録している。
今年下半期の一般小売販売は前年同期比4.5%~5.0%増加、今年は4.2%増加を全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)チーフエコノミストのファビオ・ベンテス氏は予想している。(2019年7月12日付けヴァロール紙)