税制改革で付加価値税(IVA)が世界最高税率になる可能性も

民主党(DEM)所属のロドリゴ・マイア下院議長が支持するエコノミストのBernard Appy氏が準備している税制改革案として、連邦税の工業製品税(IPI)並びに社会統合計画賦課金(PIS)、社会保障賦課金(Cofins)、州税の商品サービス流通税(ICMS)、市税のサービス税(ISS)を包含する商品サービス税(IBS)の税率は30%以上に達する可能性があり、世界でも最も高率の付加価値税(IVA)になる可能性があると経済省は指摘している。

今月10日下院議会本会議で第一回新社会保障年金改革案の採決が行われ、最低可決に必要な下院議員513人のうち308票を71票上回る379票の賛成票を獲得して可決され、面目躍如で飛ぶ鳥を落とす勢いのロドリゴ・マイア下院議長は、税制改革でも政治工作を牽引と見られているおり、「税制改革は中間層の支持が強く、経済省の支持を期待している」とコメントしている。

一方パウロ・ゲーデス経済相は、連邦税の工業製品税(IPI)並びに社会統合計画賦課金(PIS)、社会保障賦課金(Cofins)、また金融操作税(IOF)の一部、可能性の高い純利益に対する社会納付金(CSLL)を包括した単一連邦税を検討している。

また経済省では企業の従業員に対する社会保障費負担の終了に替わって、2つのオプションを検討していると予想されており、法人税並びに個人所得税の変更と単一連邦税に付随する新たな税金の仕組みを検討している。

Instituto Brasil 200では、自動車所有税(IPVA)並びに固定資産税(IPTU)を含む単一税創設を主張、また輸出促進に関する税金やマナウスフリーゾーンの優遇税制に関する議論の必要性を主張。更に銀行口座の金銭移動に対する2.5%の課税を主張している。

州政府収税局委員会(Comsefaz)では、連邦政府並びに州政府の独立した付加価値税(IVA)の創設、州政府の歳入減を補填するメカニズムを擁するファンドの設立を指摘している。

「憲法改正案(PEC)のBaleia/Appy案以外にも4つの税制改革案があるが、先週Luis Carlos Hauly元下院議員の税制改革案は、上院議員の支持を得ている案として、工業製品税(IPI)並びに社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)、社会保障賦課金(Cofins)、純利益に対する社会納付金(CSLL)、金融操作税(IOF)、商品サービス流通税(ICMS)、サービス税(ISS)、一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)、Salario-Educação税を廃止して、州税の商品サービス税(IBS)並びに連邦税のサービス財税の創設を主張している。

Bernard Appy氏が準備している商品サービス税(IBS)の税率は25%、そのうち連邦税は9.0%となるが、経済省では歳入減少をカバーするためには連邦税が14.5%、商品サービス税(IBS)の税率は30%以上徴収する必要性を指摘している。

世界で最も高率の付加価値税(IVA)は25.0%~26.0%とBernard Appy氏は説明、民度ある財政センター(CCiF)は、8月にチリや南アフリカを参考にした付加価値税(IVA)の税率を発表する。

マイア下院議長が支持する単一税は、例外なく全ての財サービスに適用される。マナウスフリーゾーン向け税制恩典政策は、国庫庁にとって年間250億レアルの歳入減少に繋がっているにも拘らず、税制改革後も引続き同地域に何らかの税制恩典政策を導入する。

連邦政府では企業の従業員に対する社会保障費負担の軽減として、現在企業が負担している給与支払額に対する20%の負担率を8.5%への引下並びに社会保障院(INSS)の年金支給限度額5800レアルへの制限などが検討されている。(2019年7月16日付けエスタード紙)

 

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