今年1月1日に就任したジャイール・ボルソナロ新政権では200日が経過したが、連邦貯蓄金庫並びにブラジル銀行だけの資産売却で160億レアルに達する臨時歳入を捻出している。
また6月に辞任したジョアキン・レヴィ前総裁に替わって社会経済開発銀行(BNDES)の総裁に就任した弱冠38歳のグスタヴォ・モンテザノ氏(Gustavo Montezano)は、労働者党(PT)政権時に、BNDES銀行が主にキューバやヴェネズエラなどの外国政府に貸し付けた不透明な貸付金のブラックボックスの開示や年末までの自社資産売却を強調している。
経済省民営化・資産売却担当のSalim Mattar長官は、ジャイール・ボルソナロ新政権1年目の今年の公社民営化プログラムでは、公社の持ち株放出を加速させると強調している。
連邦政府は今年下半期の公社民営化では200億ドル相当を見込んでおり、公立銀行以外にも電力エネルギー分野並びに上下水道分野、ロディスティック分野の公社民営化を促進する。
連邦貯蓄金庫のペドロ・ギマランエス総裁は、今年は15件の資産売却オペレーションで150億レアルの資金調達を見込んでおり、今年上半期にブラジル再保険院(IRB Brasil Re)の8.9%に相当する持株を252億レアルで放出。またペトロブラスの普通株2.3%の放出で73億レアルを調達、総額98億2,000万レアルを調達している。
また保険事業やクレジットカード部門、宝くじ関連事業、ブラジル銀行の勤続期間保障基金ファンド(FI-FGTS)持株、電力エネルギー分野のAlupar公社の株式放出で、銀行業務に集中的に投資してエフィシエンシー向上を図ると連邦貯蓄金庫のPedro Guimarães総裁は説明している。
またブラジル銀行も今年上半期にブラジル再保険院(IRB Brasil Re)の持ち株放出で41億8,000万レアルを調達、Neoenergia社の持ち株放出で17億7,500万レアルを調達、今後は銀行業務に集中するために、積極的なポートフォーリオの資産売却を予定している。
モンテザノ新総裁は、2カ月間以内のブラックボックスの開示並びに社会経済開発銀行(BNDES)の投資管理会社であるBNDES出資会社(BNDESPar)の1,000億レアルに達する持ち株売却を進める。
労働者党(PT)が政権を握っていた時の社会経済開発銀行のルシアーノ・コウチーニョ総裁時代から不透明性が疑問視されてブラックボックスの開示要求が高まっている。
モンテザノ新総裁は、年内の国庫庁への供与金返済以外にも社会経済開発銀行(BNDES)は、ペトロブラス石油公社や資源大手ヴァーレ社を含むブラジル大手企業の持株の放出を示唆している一方で、むやみに放出するのではなくて、時価総額の上昇時の持株放出を説明している。(2019年7月23日付けエスタード紙)