中銀は満場一致でSelic金利を6.0%に引き下げ

昨日中銀の通貨政策委員会(Copom)では、全会一致で政策誘導金利(Selic)を6.5%から0.5%引下げて6.0%に決定、1996年6月以降では過去最低のSelic金利となった。

通貨政策委員会(Copom)が全会一致で政策誘導金利(Selic)を6.0%に決定した要因として、低調な国内経済並びにコントロールされているインフレ、下院議会の新社会保障年金改革案の第1回承認による年内の年金改革承認などがSelic金利の引き下げに繋がった。

今回のSelic金利の6.0%の引下で、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は1.63%と世界8位まで減少した一方で、為替危機に見舞われているアルゼンチンの実質金利は5.23%で世界最高金利、メキシコは3.84%、インドネシアは3.35%となっている。

昨日の通貨政策委員会(Copom)のSelic金利の引下げ予想は0.25%若しくは0.5%と割れていたが、コントロールされているインフレが0.5%引下げの要因となった。

昨日の通貨政策委員会(Copom)のSelic金利の引下げ決定前に、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)は、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを2.00~2.25%と従来から0.25ポイント引き下げていた。

中銀は今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を3.60%、2020年のIPCA指数は3.90%と予想、また今年のIPCA指数の中央目標値は4.25%、来年は4.00%としている。

XP Investimentos社エコノミストのマルコス・ロッソ氏は、コントロールされているインフレで今後2回の通貨政策委員会(Copom)でのSelic金利はそれぞれ0.5%引下げを予想して、ブラジルの国内経済回復は遅れると予想している。

今回の政策誘導金利(Selic)の6.0%の引下で確定金利付き金利は更に減少するために、ポウパンサ預金の金利は管理手数料付の銀行間預金(DI)金利を上回る可能性がある。

Selic金利が6.5%時のポウパンサ預金の月利は0.3715%、年利は4.55%であったが、Selic金利が6.0%に下げればポウパンサ預金の年利も4.20%に減少するために、管理手数料が1.0%以上の投資ファンドの年利はポウパンサ預金を下回る。

米国の連邦公開市場委員会はフェデラルファンド(FF)金利を2008年の世界金融危機以降で初めて引き下げたが、最近ではヨーロッパ連合並びにオーストラリア、ニュージーランド、チリ、ロシア、インド、トルコなどが世界経済の停滞を理由に金利引き下げを発表している。

インフレ指数を差引いた世界各国の金利比較ではアルゼンチン5.23%、メキシコ3.84%、インドネシア3.35%、ロシア2.68%、トルコ2.63%、インド2.56%、マレーシア2.24%、ブラジルは1.63%で8位、南アフリカ1.62%、コロンビアは0.95%となっている。(2019年8月1日付けエスタード紙)

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