2020年度の連邦予算基本法では、歳出上限法の活用で国庫庁の歳入増加並びに公共負債削減で2,026億レアルに達する義務的歳出の緩和政策導入が検討されている。
ペドロ・パウロ下院議員(DEM:民主党=リオ州選出)は、今週火曜日にパウロ・ゲーデス経済相に2,026億レアルの歳出削減に繋がる予算案を提示したが、来年の予算編成に向けて義務的歳出削減を目指しているパウロ・ゲーデス経済相は歓迎している。
2020年の予算の内1,096億レアルは、「政府や各省庁の予算は基本的に前年度の予算にインフレ率をかけた以上の拡大はできない」テーメル政権時代に憲法改正の形で成立した歳出上限法の予算となっている。
しかしペドロ・パウロ下院議員の予算案では、連邦公務員の勤務時間短縮やサラリー削減、2最低サラリーまでのサラリーマンが年1回ボーナスとして受け取っているサラリーボーナスの支給停止などの検討が含まれている。
60億レアルに達する現役連邦公務員並びに年金受給の公務員向け支払い徴収による歳入、189億レアルに達する労働者支援基金(FAT)から社会経済開発銀行(BNDES)への送金禁止、連邦ファンドの681億5,000万レアルの公共負債の切り離しの可能性などが検討されている。
国庫庁では、連邦政府の財政プライマリー支出の67.7%はインフレ指数連動型支出であり、特に最低サラリーに連動している社会保障院(INSS)の年金・恩給支出による赤字は雪だるま式に増えていると指摘されている。
また最低サラリー以上の年金・恩給支払い調整はインフレ指数連動、サラリーボーナス並びに失業保険、勤労不可能な高齢者および障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)などのインフレ指数連動で調整されている。
インフレ指数連動型支出比率は、連邦政府の財政プライマリー支出の67.7%に達するが、特に年金・恩給支出比率は44.7%で圧倒的な比率を占めて連邦政府の赤字拡大を牽引している。
年金・恩給支出比率44.7%に次いで、BPCは4.2%、サラリーボーナス並びに失業保険は4.0%、衛生・保健関連分野は8.3%、教育関連分野は3.7%と占めている。
2019年のインフレ連動指数調整比率比較では、全国消費者物価指数(INPC)は3.43%、広範囲消費者物価指数(IPCA)4.39%、過去2年間のGDP伸び率と前年のインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)をもとに計算される最低サラリー調整4.61%、実質歳入調整は4.55%となっている。(2019年9月13日付けエスタード紙)