昨日30日中銀の通貨政策委員会(Copom)は、5.5%の政策誘導金利(Selic)を0.5%引下げ、1996年6月の開始以降では過去最低のなる5.0%への引下げを決定した。
また昨日の中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録では、今年末までに更にSelic金利の0.5%の引下の可能性も示唆しており、年末のSelic金利は4.5%が濃厚となっている。
ブロードキャスト・プロジェクションの48金融機関対象の調査では、全ての金融機関は昨日の中銀の通貨政策委員会(Copom)によるSelic金利の0.5%引下げを予想していた。
10月22日の上院本会議での年金改革法案の第2回投票は、賛成票60票に対して反対票19票で承認後では初めての通貨政策委員会(Copom)の開催であったが、コントロールされているインフレや緩やかな経済回復基調で、12月の通貨政策委員会(Copom)でのSelic金利の0.5%引下げは疑問の余地がない。
昨日の通貨政策委員会(Copom)の議事録では、12月のSelic金利の0.5%引下げは明白であるが、それ以後のSelic金利の引下余地はないとHaitong社チーフエコノミストのフラヴィオ・セラーノ氏は指摘している。
昨日のSelic金利の0.5%による引下でブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は、1.65%に減少して調査対象の40カ国中で世界8位の高金利に後退している。
Selic金利が5.0%なったことで、ポウパンサ預金の実質年利は3.50%に減少、確定金利付き投資の収益率比較では、不動産信用証券(LCI)並びに農業信用証券(LCA)向け投資の年利はそれぞれ4.85%でトップ収益率となる。
また銀行定期預金証(CDBs)の収益率は4.70%、大口の10万レアル以上で年間手数料金が0.5%の銀行間預金ファンド(DI)投資の平均収益率はポウパンサ預金と同率の3.50%、年間手数料金が1.0%の銀行間預金ファンド(DI)投資の平均収益率は3.08%、年間手数料金が2.0%の銀行間預金ファンド(DI)投資の平均収益率は僅か2.24%に減少する。
連邦貯蓄金庫(Caixa)並びにブラジル銀行(BB)は、中銀によるSelic金利の5.0%への引下げに伴って、11月6日以降の住宅購入向け金利を一斉に引下げると発表している。
連邦貯蓄金庫(Caixa)では、住宅購入クレジット金利7.50%プラス現在は0%の参考金利(TR)を6.75%、住宅購入クレジット金利9.50%プラスTRを8.50%に引き下げる。
ブラジル銀行(BB)の最も安い住宅購入向けクレジット金利は7.40%、ブラデスコ銀行は7.30%、イタウー銀行は7.45%、サンタンデール銀行は7.99%それぞれ下げる。(2019年10月31日付けエスタード紙)