来年の財政プライマリー収支は予想を上回る臨時歳入にも関わらず、据置か

今年11月6日並びに7日に2回連続で予定されている岩塩層下(プレソルト)石油・天然ガス入札による臨時歳入が来年に計上されるにも拘らず、2020年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1241億レアルに据え置かれる。

しかし来月のプレソルト石油・天然ガス入札による臨時歳入以外にも年金改革の国会承認並びに税制改革をはじめとした一連の構造改革の進展、景況感改善による国内経済の回復などの要因で、来年の財政プライマリー収支赤字は大幅に改善すると予想されている。

来年4月から2021年並びに2022年の基本予算法(LDO)の議論開始が予定されているが、中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は、国内景気回復並びに歳入増加に伴って大幅に下方修正されると予想されている。

パウロ・ゲーデス経済相率いる経済班では、2020年の中央政府の財政プライマリー収支は314億レアルの赤字を見込んでおり、7年間連続での財政プライマリー収支赤字は避けられないと予想されている。

今年9月の中央政府の財政プライマリー収支は、前年同月比14.0%減少の203億7,200万レアルの赤字を計上、今年初め9カ月間では724億6,900万レアルの赤字を計上しているにも拘らず、2015年以降ではそれぞれ最低の赤字幅を記録している。

今年9月のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、前年同月比3.6%増加の1,030億レアル、そのうち経常的歳入総額は2.6%減少の676億レアル、社会保障院(INSS)の歳入総額は5.5%増加の326億レアル、臨時的歳入は41.2%増加の206億レアル、地方政府への交付金は14.8%増加の177億レアルとなっている。

また今年9月の実質歳出総額は0.2%増加の1,234億レアル、そのうち社会保障院(INSS)向け歳出は4.5%増加の661億レアル、連邦公務員向け人件費や社会補助金等歳出は2.2%増加の237億レアル、行政関連プログラム等歳出は4.5%減少の204億レアル、その他の義務的歳出は13.5%減少の132億レアルを占めていた。

2011年9月の中央政府の財政プライマリー収支は83億レアルの黒字を計上、2012年も16億レアルの黒字を計上していたが、2013年は149億レアルの赤字に転換、年末から経済リセッション入りした2014年は273億レアルの赤字を計上、その後の9月は7年連続で赤字計上を続けている。(2019年10月31日付けヴァロール紙)

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