昨日11月6日に実施されたプレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札では、国庫庁に臨時歳入として約1,065億レアルが見込まれていたにも関わらず、入札にかけられた4鉱区のうち僅か2鉱区でしか応札がなかったために、連邦政府にとってはまさに取らぬ狸の皮算用となった。
昨日入札にかけられたのは、サントス海盆に位置する開発面積が852.21平方キロメートルのブージオ鉱区並びに146.71平方キロメートルのイタプ鉱区、157.25平方キロメートルのセピア鉱区、228.89平方キロメートルのアタプ鉱区の4鉱区であった。
682億レアルで落札されたブージオ鉱区は、ペトロブラス石油公社の権益は90%、中国資本CNOOC(中国海洋石油总公司)並びに中国資本のCNOCD(中国石油天然气勘探开发公司)がそれぞれ5.0%を占めている。
またペトロブラスはイタプ鉱区を18億レアルで単独で落札、原油生産開始後の利益の18.15%を連邦政府に収めなければならないが、ブージオ鉱区は23.24%に設定されている。
ペトロブラス石油公社並びに中国資本CNOOC社、中国資本CNOCD社が共同で落札したブージオ鉱区では、1日の原油生産能力が60万バレルに達する4隻のプラットフォームが既に設置されている。
今回のメガ入札の落札総額682億レアルのうち連邦政府には237億レアル、地方政府(主政府・市)には117億レアルが割り当てられるが、連邦政府は2010年にペトロブラス石油公社に50億バレルの原油開発を許可の代わりに、ペトロブラスは連邦政府に748億レアルを支払っていたために、ペトロブラス石油公社には340億レアルが宛がわれる。
今日11月7日に予定されている第2回石油・天然ガス入札の国庫庁の臨時歳入は358億レアル、国庫庁には246億5,000万レアル、国家エネルギー政策審議会(CNPE)向けに78億5,000万レアルが予定されているが、入札の結果次第では2020年度の予算に大きな誤算が生じる可能性が濃厚となっている。
プレソルト石油・天然ガス入札は今回で6回目となるが、第1回のサントス海盆リブラ鉱区入札では、ペトロブラス石油公社の権益はコンソーシアムの中で最高の40%、フランス資本 Total社並びに英国/オランダ資本のシェル社は20%、中国海洋石油(CNOOC)並びに中国石油天然ガス集団(CNPC)はそれぞれ10%の権益を所有していた。
第2回プレソルト石油・天然ガス入札でも中国資本Sinopecを含むコンソーシアムが落札、第3回プレソルト石油・天然ガス入札でも中国資本の中国石油天然ガス集団(CNPC)並びに中国海洋石油(CNOOC)を含むコンソーシアムが落札していた。
第4回プレソルト石油・天然ガス入札では、ペトロブラスを含む世界の石油メジャー連合が落札していたが、第5回プレソルト石油・天然ガス入札でも中国資本中国海洋石油(CNOOC)を含むコンソーシアムが落札しており、中国系石油会社は競ってブラジル国内のプレソルト鉱区開発に参加している。(2019年11月7日付けエスタード紙)