税制改革立案で上下院合同委員会設置

パウロ・ゲーデス経済相率いる経済班の2020年中頃までに4段階に分けた税制改革案は、今月末までに国会に提出される予定であったにも拘らず、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長並びにロドリゴ・マイア下院議長は、国会を通過させるための新たな税制改革立案作成のために、上下院合同委員会の設置を準備している。

経済省の4段階に分けた税制改革案の第1段階として、社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の税率を11%~12%の間で統一し、全てのサービス財に適用。第2段階の税制改革案は、2020年初めから工業製品税(IPI)の税率の見直し。

第3段階の税制改革案は、2020年第1四半期から個人所得税(IRPF)並びに法人所得税(IRPJ)の見直し。第4段階の税制改革案は、2020年中頃から企業の従業員に対する社会保障費負担の終了が予定されている。

しかしこの4段階に分けた経済省の税制改革案に対して、民主党(DEM)所属のロドリゴ・マイア下院議長は、社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の統一は、ミッシェル・テーメル前政権が試みたにも拘らず、挫折したと指摘している。

また州税の商品サービス流通税(ICMS)の税率は、各州政府が製造業誘致や港湾利用誘致など競争激化で、州間の税金戦争に発展した最も複雑な税制であり、経済省の税制改革案では解決できないとマイア下院議長は指摘している。

ロドリゴ・マイア下院議長が支持するエコノミストのBernard Appy氏が準備していた税制改革案として、連邦税の工業製品税(IPI)並びに社会統合計画賦課金(PIS)、社会保障賦課金(Cofins)、州税の商品サービス流通税(ICMS)、市税のサービス税(ISS)を包含する商品サービス税(IBS)はBaleia Rossi下院議員が税制改革法案として発表していた。

この3種の連邦税並びに1種の州税、1種の市税から構成される単一税である商品サービス税(IBS)の過渡期間として10年間を要し、また州政府並びに市役所の減収補填には50年間が必要と見込まれている。

また多くの上院議員の支持を得ているLuis Carlos Hauly元下院議員の税制改革案は、工業製品税(IPI)並びに社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)、社会保障賦課金(Cofins)、純利益に対する社会納付金(CSLL)、金融操作税(IOF)、商品サービス流通税(ICMS)、サービス税(ISS)、一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)、Salario-Educação税を廃止して、州税の商品サービス税(IBS)並びに連邦税のサービス財税の創設を主張している。

Riachuelo小売チーンのFlavio Rocha社長が昨年創設したInstituto Brasil 200では、金融取引暫定賦課金(CPMF)の復活を主張している。またInstituto Brasil 200のGabriel Kanner社長は、経済班の社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の統一は、税制簡素化にはポジティブに作用すると肯定している。

Luis Carlos Hauly元下院議員は、税制改革は連邦機構改革よりも100倍以上重要であると指摘。またコンサルタント会社Tendencias社エコノミストのFabio Klein氏は、税制の簡素化並びに生産部門への減税は競争力強化に繋がると指摘している。(2019年11月19日付けエスタード紙)

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