国内経済の景気回復遅れによる国庫庁の歳入減少、米中貿易摩擦やアルゼンチンの為替危機などの外的要因も重なって、今年第3四半期の各省庁は340億レアルの支払い停止を余儀なくされていた。
11月6日に実施されたプレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札での予想臨時歳入1,065億レアルであったにも関わらず、今回のメガ入札の落札総額は予想を大幅に下回る682億レアルに留まった。
682億レアルの分配内訳として連邦政府には237億レアル、地方政府(州政府・市)には117億レアルが割り当てられたが、連邦政府は2010年にペトロブラス石油公社に50億バレルの原油開発を許可の代わりに、ペトロブラスは連邦政府に748億レアルを支払っていたために、ペトロブラス石油公社には340億レアルが宛がわれる。
各省庁向けの分配金総額は139億7600万レアル、そのうち防衛省には34億7,300万レアル、教育省には26億9,500万レアル、大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”(MCMV)を担当する地方開発省(MDR)には13億6,500万レアル、科学技術・イノベーション・通信省には11億5,900万レアルが宛がわれる。
連邦政府では、歳入減少に伴って各省庁に対する340億レアル以上に達する分配・交付金の支払遅延を余儀なくされていたが、石油・天然ガスのメガ入札による臨時歳入が国庫庁に入るまでの連邦政府の13省庁は、予算凍結措置で9月末までに政府機関の一部閉鎖を意味するシャットダウン状態に陥る可能性が濃厚となっていた経緯があった。
9月末までにシャットダウン状態に陥る可能性のある13省庁で最も財政状況が悪化しているのは、インフラ省国家水上輸送庁(Antaq)で予算の99.9%に相当する資金不足に陥っていた。
国防省の予算不足は81.0%、科学技術省は80.6%、法務省傘下の日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)は79.3%、インフラ省78.2%、連邦監査事務局(CGU)は78.1%、鉱山エネルギー省国家電力エネルギー庁(ANNEL)76.5%、インフラ省国家陸路輸送庁(ANTT)73.9%、地方開発省は73.9%不足していた。(2019年11月23日付けエスタード紙)