昨日中銀の発表によると、2019年10月の経常収支は78億7,000万ドルの赤字を計上、10月の経常収支としては、2014年10月の93億ドルの赤字に次ぐ経常収支赤字を計上している。
今年10月の経常収支が78億7,000万ドルの赤字を計上した要因として、貿易収支が4億9,000万ドルの黒字に留まり、前年同月の53億4,800万ドルの黒字の10分の1以下まで縮小している。
今年初め10カ月間の経常収支は、貿易収支の黒字幅の減少に伴って前年同期比41.0%増加の456億6,000万ドルの赤字を計上、2018年の415億4,000万ドルの赤字を大幅に上回っている。
今年初め10カ月間の経常収支赤字456億6,000万ドルの拡大に伴って、今後もレアル通貨に対するドルの為替は高止まりを維持すると予想、昨日25日のドルは前日比0.52%上昇のR$ 4.2145を記録して、レアルプラン以降では最高値を記録している。
コンサルタント会社Tendencias Consultoria社エコノミストのシルヴィオ・カンポス・ネット氏は、今年末のドルの為替をR$4.00、2020年はR$3.90を予想、サンタンデール銀行では、今年並びに来年末のドルの為替をR$4.00と予想している。
今年初め10カ月間の輸出が大幅に減少した一方で、国内の製造業部門の回復に伴って輸入が大幅に増加、今後も輸出減少に対して輸入増加で経常収支赤字は、拡大すると中銀ストラテジー部門のフェルナンド・ロッシャ部長は指摘している。
今年10月の海外投資家の対内直接投資額は、68億1000万ドルで経常収支赤字78億7,000万ドルをカバーできていないが、今年初め10カ月間の対内直接投資額は621億1,200万ドルを計上、今年初め10カ月間の経常収支赤字456億6,000万ドルを充分カバーしている。
ブラジル国内経済回復に伴って輸入増加で貿易収支悪化が予想されているために、2020年の対内直接投資額は、経常収支赤字をカバーしきれない可能性をGO AssociadosエコノミストのAlexandre Lohmann氏は指摘している。
今年10月のサービス収支部門のブラジル人の海外旅行による支出は、前年同月比6.0%減少の15億600万ドル、今年初め10カ月間の海外旅行による支出は、前年同期比4.0%減少の148億4900万ドルであった。(2019年11月26日付けエスタード紙)