トランプ大統領は鉄鋼・アルミ製品輸出で再課税恫喝か

昨日2日午前8時に米国のトランプ大統領は、自身のツイートでブラジル並びにアルゼンチンの鉄鋼製品並びにアルミ製品の米国への輸出に対して、両国が意図的に為替を引き下げて輸出に拍車をかけて、米国の農業従事者にとって良くない行為であるとして、再度輸入関税をかけると警告している。

トランプ大統領は昨年3月に、通商拡大法第232条に基づいて鉄鋼製品とアルミニウム製品の輸入に高関税をかけることを決定、米国に輸入される鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の関税措置を発動してブラジルも8.0%の輸入関税をかけられていた。

しかし米国政府との交渉で、ブラジル並びにアルゼンチン、オーストラリア産の鉄鋼製品とアルミニウム製品の輸入関税はリストから除外されていた経緯があった。

トランプ大統領の事前に通達のない抜き打ち的な輸入関税発表で、ボルソナロ大統領は、午前中にパウロ・ゲーデス経済相と協議するが、必要であれば親友のトランプ大統領に電話するとコメントしていた。

また午後ボルソナロ大統領は、トランプ大統領が報復関税をかける意図はないために、トランプ大統領は鉄鋼製品とアルミニウム製品の輸入関税撤廃の要請を受け入れてくれると強調していた。

昨日夜のRecordテレビとのインタビューでボルソナロ大統領は、来年の米国の大統領選挙を控えているための政治戦略の一環であるが、我々は最良のパートナーであり、トランプ大統領は理解を示すだろうと答えていた。

また昨日夜遅くにボルソナロ大統領は、プラナルト宮にパウロ・ゲーデス経済相並びにエルネスト・アラウージョ外相、貿易協議所(Camex)のカルロス・ピオ総裁を招集、トランプ大統領の発言の意図や輸入関税導入による今後のインパクトなどについて協議している。

今年初め10カ月間のブラジルと米国との貿易収支では、ブラジルの11億3,000万ドルの赤字を計上、ブラジルは米国との貿易では数少ない貿易赤字国となっている。(2019年12月3日付けヴァロール紙)

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