2020年の新車生産は前年比7.3%増加の316万台予想

全国自動車工業会(Anfavea)では、2020年のバスやトラックを含む自動車生産は、経済回復に伴って国内販売が牽引して前年比7.3%増加、2014年並みの316万台を予想している。

今年の自動車生産台数316万台は、生産能力500万台に対して設備稼働率は僅か60%に過ぎないために製造コスト高となっているが、設備稼働率が75%~80%に達すれば健全製造コストに達するとPwC Brasil社のMarcelo Cioffiパートナーは指摘している。

今年の自動車メーカ各社は、ブラジル国内での開発車を含めて40種類に及ぶ新車モデルをリリースする一方で、人口が2億人を抱える世界有数のマーケットから撤退しないために、依然として本社からの資金供与を余儀なくされているのが現状となっている。

ブラジルの自動車業界の平均サラリーは、有望な人材流出を防ぐために製造業部門でもトップを占めているが、昨年の自動車業界は4,900人の従業員解雇を余儀なくされ、現在の自動車業界の雇用は12万5,600人と過去10年間で最低水準まで落ち込んでいると全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・カルロス・モラレス会長は指摘している。

昨年の自動車業界の生産は製造業部門のGDP比では22%を占め、またブラジルの国内総生産GDP比では4.0%を占めており、自動車メーカや部品サプライヤーなど自動車関連部門の雇用総数は130万人を占めている。

2019年1月~9月の本社からブラジルの自動車メーカー支店には総額83億ドルに達する資金供与や投資が行われたものの、前年比では22.0%減少。2014年~2019年9月の期間は64億ドルを海外本社から供与されていた一方で、本社への利益・配当金送金は18億6,000万ドルに留まっている。

ブラジル国内の経済リセッション突入する前の2008年~2013年の6年間の本社への利益・配当金送金は256億ドルに対して、海外本社からブラジル支店への資金供与や投資総額は140億ドルと中銀の統計で判明している。

2020年の自動車生産予想316万台は、国内販売は前年比9.4%増加の305万台が牽引すると予想、2019年の国内販売は前年比8.6%増加の278万台と過去5年間で最高記録していた。

2020年の自動車生産316万台の予想は、今年のGDP伸び率が2.5%、雇用の回復、コントロールされているインフレ指数、継続する過去最低の政策誘導金利(Selic)、企業経営者並びに一般消費者のプラスの景況感を基に算出されている。

2019年の新車輸出は、アルゼンチンの為替危機の影響を受けて前年比32%減少の42万8,200台に留まった。今年は前年比11.0%減少の38万1,000台と2014年以降では、最低の輸出台数に減少すると全国自動車工業会(Anfavea)では予想している。

2019年のアルゼンチン向け新車輸出は前年比52%と大幅減少、今年も輸出の回復は見込めないと(Anfavea)のルイス・カルロス・モラレス会長は指摘、またチリやコロンビア向け自動車輸出も反政府デモなどで混乱しているために回復は見込めない。(2020年1月8日付けエスタード紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=46772