マナウスフリーゾーンの二輪車メーカー10社が加盟するブラジル二輪車メーカー協会(Abraciclo)の発表によると、2019年の二輪車生産は継続した政策誘導金利(Selic)の引下並びに与信緩和に伴うクレジット部門拡大で、前年比6.8%増加の110万8,000台を記録した。
昨年の二輪車販売に対する支払い形態では、クレジットは歴史的な低金利が寄与して43.90%と大幅に増加、現金払いは33.0%、コンソルシオ支払いは23.1%を占めていた。
ブラジル国内の二輪車生産はピーク時の2008年の230万台から減少を記録、経済リセッションの影響を受けた2017年の二輪車生産は、ピーク時の約1/3に相当する88万2,900台まで減少したが、その後の景気回復に伴って2017年9月から生産は上昇を続けている。
昨年の二輪車のブラジル国内販売は前年比14.8%と二桁増加の107万台を記録した一方で、輸出の大半を占めるアルゼンチンの為替危機の影響で、前年比43.3%減少の3万8,600台まで落ち込んでいる。
昨年の二輪車の輸出はアルゼンチン向けが47.2%でトップであったにも拘らず、例年のアルゼンチン向け輸出比率の平均70%から大幅に減少。2位は米国向けで19.3%、3位はコロンビアで14.8%を占めている。
2020年の二輪車生産は前年比6.1%増加の117万5,000台が予想、今年の二輪車販売は5.8%増加の114万台とブラジル二輪車メーカー協会(Abraciclo)では予想している一方で、アルゼンチン経済の回復遅れが牽引して、今年の二輪車輸出は27.5%減少の2万8,000台まで落ち込むと予想している。
2019年12月の二輪車生産は、毎年恒例の年末の製造ライン従業員の集団休暇採用で前月比25.8%減少の6万9,000台に留まったが、前年同月比では1.8%増加している。
2019年の二輪車販売のマーケットシェア比較では、ホンダは80%と圧倒的なマーケットシェアを維持しており、2位にはヤマハが14.0%を確保、3位にはBMWが0.8%を占めていた。マナウスフリーゾーンの二輪車メーカーの直接雇用の従業員数は1万2,300人となっている。(2020年1月24日付けヴァロール紙)