行政改革は連邦公務員以外に地方政府公務員も対象

年金・恩給改革法案の上院議会での採決後すぐに行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員の配置転換や免職を伴う行政改革の最終テキスト草案を国会に送る予定であったが、最終テキスト案の調整が遅れている。

連邦政府の財政責任法(LRF)で定められている支出総額の60%までに制限されている州政府公務員の給与総額限度を超えて、財政責任法(LRF)を果たしていない州政府は、リオ州を筆頭にミナス州、南大河州、アクレ州、北大河州、ピアウイ州、トカンチンス州、マット・グロッソ州、ゴイアス州、南マット・グロッソ州、ペルナンブーコ州の11州に達している。

ブラジルの公務員に対する支出総額はGDP比13.6%に達しており、カナダのGDP比12.4%、ポルトガル10.9%、米国9.5%、英国8.9%、メキシコ8.4%、コロンビアのGDP比7.3%の2倍近い支出となっている。

2008年の連邦政府の職員は53万2,000人であったが、2018年には34.0%増加の71万2,000人に増加、また2008年の連邦職員向け給与支出総額は448億レアルであったが、10年後の2018年には142.0%増加の1,087億レアルに達している。

パウロ・ゲーデス経済相は、連邦公務員のキャリアの見直し並びに公務員採用基準の見直し、新たに採用される連邦公務員に対する昇給や特典、解雇規則などの新規定を決める。

またゲーデス経済相は、特に連邦公務員が受けている特典として、有給休暇システムや各種特典、賞与など民間企業との格差が大きい特典の見直しを行う。また新規採用の連邦公務員の民間企業との給与格差、細分化されたキャリアに伴う昇給などの見直しを行う。

行政改革の最終テキスト草案には、有給休暇や賞与の見直し、憲法に照らし合わせたストライキ規則、連邦公務員の品行規則や評価規則、新規採用規則、上級公務員採用システム、連邦公務員の人事異動の柔軟性などの見直しが行われる。

また公務員の勤務期間に伴う昇給システムの見直しや定年退職時の最終サラリーの引上げ等の見直し、新規採用公務員の安定雇用の終焉並びに過渡期の現職公務員の安定雇用規則の見直し、117段階に達する職務階級の見直し、自動昇給の見直し、短期動労契約の規則制定、連邦公務員と民間企業の給与格差の短縮などが検討されている。(2020年1月27日付けエスタード紙)

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