2019年のブラジル資本のスタートアップ企業への投資案件数は前年比8.3%増加の260件に達したが、そのうち銀行などの金融機関とIT技術を合わせたサービスのフィンテック(FinTech)への投資総額は、約10億ドルに達したとスタートアップ企業と大企業が接点を持てるようにコワーキングスペースを提供するDistrito社の調査で判明している。
昨年のブラジル資本のスタートアップ企業への投資案件数260件への投資総額は前年比80%増加の27億レアル、2018年の投資総額は65.7%増加の15億ドル、2017年は9億1,000万ドル、今年は前年比30%増加が予想されている。
昨年のスタートアップ企業のフィンテック部門向け投資は、62件で投資総額9億3,500万ドルと前年の31件で投資総額2億1,000万ドルから4倍以上増加。今年のフィンテック部門向け投資は大幅な増加が予想されている。
また昨年のスタートアップ企業の小売部門向け投資は31件で投資総額2億1,000万ドル、健康・医療部門向け投資は24件で投資総額は4,300万ドル、昨年の1件当たりの平均投資額は1,950万ドルと前年比200%増加していた。
リクルート部門向け投資は18件で投資総額は3億4,400万ドル、マーケティング部門は17件で2億900万ドル、輸送関連部門は12件で2億7,900万ドル、農畜産部門は10件で700万ドル、不動産関連向け投資は、8件で投資総額は3億3,500万ドルを記録していた。
今年のスタートアップ関連投資では、オープンバンキング規制緩和並びにCadastro Positivo開始、政策誘導金利(Selic)、コントロールされているインフレ指数、2.0%を上回るGDP伸び率などの要因で、多くの投資家はハイリスクハイリターンのフィンテック部門向け投資の増加が予想されている。
昨年11月にブラジル資本のソフト関連企業のBertha Capital社並びに Belvedere Investimentos社を擁するMicrosoft Participações社は、SEBRAE(零細・小企業支援サービス機関)と共同でWomen Entrepreneurship(WE)プログラムをリリースしている。
Women Entrepreneurship(WE)は女性の起業家育成プログラム、今後5年間に1億レアルの投資向け資金調達を予定、スタートアップ25社への投資を目指したプログラムとなっている。(2020年1月31日付けヴァロール紙)