2020年1月の貿易収支は、昨年1月の17億ドルの黒字収支から一転して17億5,000万ドルの赤字を計上、2015年1月に計上した31億8,500万ドルの赤字に次ぐ5年ぶりの赤字を計上している。
今年1月の輸出総額は米中貿易摩擦の継続で世界貿易が収縮している要因で、前年同月比マイナス20.2%の144億3,000万ドルに留まったが、輸入総額はマイナス1.3%の161億8,000万ドルを記録している。
今年1月の輸出総額が前年同月比マイナス20.2%の144億3,000万ドルに留まった要因として、第一次産品輸出は前年同月比マイナス11.9%、半完成品はマイナス25.2%、完成品はマイナス27.7%とそれぞれ二桁台の大幅減少を記録している。
第一次産品輸出では鉄鉱石並びに原油、大豆の国際コモディティ価格の減少が大きく影響している。ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、今年1月の原油価格は前年同月比マイナス17.8%、輸出量もマイナス13.8%を指摘している。
また今年1月の大豆輸出量は前年同月比マイナス26.9%、コモディティ価格はマイナス8.7%、今後中国は米国との貿易折衝で米国からの大豆輸入を優先するとカストロ会長は指摘している。
今年1月の輸出の大幅な減少として、昨年1月はプレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォーム輸出で13億ドル、パルプ輸出で10億ドルを計上していた経緯があった。
今年1月の中国並びに香港、マカオ向け輸出総額はマイナス9.3%の36億7,000万ドルした一方で、アジア地域向け輸出はマイナス5.0%に留まっていた。
今年1月の輸入総額はマイナス1.3%の161億8000万ドル、そのうち資本財は前年同月比6.6%増加の38億8,000万ドル、中間財はマイナス3.4%の85億1,000万ドル、消費財は6.9%増加の22億1,000万ドル、燃料・潤滑油輸入はマイナス15.3%の15億7,000万ドルに留まっていた。(2020年2月4日付けヴァロール紙)