【行政改革案で政府が勤続年数を元にした昇進・昇給の廃止を提案】

国会提出の提案では懲戒解雇の場合の年金給付の廃止も盛り込む。

 

連邦政府が国会に送致を予定する行政改革案で、いわゆる「ペンドゥリカーリョス(ロゼットの意味)」と呼ばれる恩典付与制度をてこ入れし、ブラジルの公共サービスにおいて依然として一般的な慣行である遡及的な給与額の調整を廃止させる方針である。

この提案は、連邦及び州、市の公務員に対する規定に効力を及ぼす。禁止されるペンドゥリカーリョスのリストには、勤続年数だけを基準とした昇進及び序列の実施がある。

連邦政府は外にも、処罰の一環として年金給付の禁止を提案する。現在、服務上の義務違反を犯した場合に一部の公務員は、年金納付期間の比率に応じた年金受給額を定めて「強制退職」処分を受ける。改革では、公務員の年金受給資格が剥奪される。連邦政府の経済スタッフはこれを、道徳的措置と受け止めている。

ペンドゥリカーリョスは公務員の昇給を加速させる支援あるいは恩典である。こうしたペンドゥリカーリョスの一部は、連邦公務員には存在しないが州政府や大都市の市役所で制度として生きながらえているものがあり、現職の公務員だけでなく退職者への支払いという形で財政を圧迫している。ブラジル国内では、年金受給額を上乗せできるように委員会の役職を公務員が「持ち回り」で担当している地域も存在する。

経済省のデータによると、11州で既に、経常純収入(RCL)の60%を上限とする財政責任法(LRF)の規定を上回って人件費を支出している。

連邦政府は、憲法修正案(PEC)を通じて、公務員のキャリアに益する「行き過ぎた」恩恵の誘導と位置付けた状況への対処に照準を合わせる。さらにPECでは、30日の休暇をブラジルの全公務員を対象に標準化することを想定している。なおこの改革では、裁判官と検察官、国会議員は対象外である。行政改革の第1段階において、これらの公務員は改革の対象から除かれる。当該の公務員に対する規定の変更を定める権限を有するのは、国会議員に限られる。

 

公務員試験

 

連邦政府の行政改革案では、公務員試験はもはやキャリア公務員の決定的なスタート地点にはならない。公務員試験の合格者は、一定の期間の勤務の後に初めて、キャリア公務員として認められる。それまでの段階では、当該の役職に対する適性を評価する期間となる。この評価期間はまだ定まっていないが、2年から3年の間で調整中。専門試験に対しては、一切変更は加えない。

現在、公務員試験に合格してキャリア公務員になる人は、それ以前に、わずか0.2%しか解雇されない実務公務員(実習公務員)としての経験を持つ。この実務公務員の99.8%は、公務員としての地位で雇用が継続されている。

連邦政府の経済スタッフらは、このポイントを行政改革の本丸と位置付け、PECに盛り込む。彼らの判断の根拠は、専門試験を合格してもその役職に適任ではない公務員がいるという点である。

連邦政府は、段階的に改革案を国会に送致する判断を下した。PEC意外にも法律と政令に関して、改正案を送致する。キャリア計画と初任給に対する変更は、PECには盛り込まない。

経済省のパウロ・ウエベル脱官僚主義及びガバナンス、デジタル政府担当特別局長は、最近のインタビューで、PECを2月に国会へ送致すると政府の見通しについてコメントしている。同特別局長によると、連邦政府はこれらの規定の全てを2022年までに可決、施行するのを想定しているという。

2019年にジャイール・ボルソナロ大統領は、「よりマイルドな」内容を要求して提案の国会送致を先送りした。大統領は提案内容に含めることのできない争点として次の3つを指摘した。すなわち、雇用の安定性を失わせること、現職公務員に対する勤続期間の変更、またはポスト数の変更である。言い換えればこれは、現職の公務員に対する解雇の提案が行われないということである。だが連邦政府は、新規に採用する公務員の雇用の安定性に対する制限を提案する。

連邦政府は、イギリスとアメリカ、メキシコ、カナダ、ポルトガル、オーストラリア、コロンビアで採用されているモデルとの比較研究を実施した。2024年までに現職の公務員の21%が定年退職するため、連邦政府は、今後数年で公共サービスにおける人的リソースの管理を改善するチャンスがあると受け止めている。

上院独立監査協会(IFI)のフェリペ・サルト理事は、「人件費は、歳出の上限、あるいは緊急憲法改正案(国会に対して公共支出の一部を削減するために国会に送致される提案)と呼ばれるものが可決された場合の状況に、強い関連性を持たせるべきだ。こうすることで、国家改造に向けたアジェンダの推進に緊急性が高まる」と話す。IFIは2019年末、国会議員に対する補助金の改革に関するレポートの最初の一部を発表した。第2部の編纂もすでに進んでいる。(2020年1月27日付けエスタード紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=46867