ブラジル国内での中国湖北省武漢市が発生源の新型コロナウイルス発生は確認されていないにも関わらず、ブラジルの国内製造業部門では新型コロナウイルスによる副作用が表れ始めている。
モトローラ社製セルラーを受託生産しているFlextronics社では、先週末に中国製の部品不足の影響で、今月17日~26日にかけて集団休暇採用を余儀なくされるとサンパウロ州ジャグアリウーナ市の金属総連に通知している。
中国製部品不足でセルラー生産は80%減少を余儀なくされるが、中国からの部品・装置輸入に伴って新型コロナウイルス伝染をカットするために、しばらくの間の輸入制限はやむを得ないとジャグアリウーナ市の金属総連SindMetalのジョゼ・フランシスコ会長は理解を示している。
また韓国家電大手メーカーのSamsung社では、来週3日間の生産中止計画をカンピーナス市金属労連に報告しているが、同金属労連のシダリーノ・オリシ会長は、来月の土曜日2日間での勤務での補填をSamsung社に提示している。
南大河州でテニス靴を製造しているCalçados Bibi社では、テニス靴につけるLEDを中国からの輸入に依存しているが、同じ品質のLED製品のサプライヤーを見つけるのは容易でないために、中国製LEDの納期遅延を余儀なくされる。
ブラジル国内の電気電子業界の部品ストックは、通関ブロクラシーなどの影響で約60日間と他の新興国よりも在庫を抱えているが、中国製部品に替わるサプライヤーを探すのは容易ではないとブラジル電気電子工業会(Abinee)のウンベルト・ベルバット会長は指摘している。
2019年のブラジルは中国から総額359億ドルの部品を輸入し部品全体の20.2%を占めていた。昨年の情報機器・電気機器・光学機器業界の中国からの部品購入は87億1,000万ドルに達している。
前記同様に昨年の中国からの化学製品輸入総額は56億2,000万ドル、電気関連機器38億9,000万ドル、機械・装置35億9,000万ドル、その他の輸送関連機器は25億2,000万ドルに達している。
また繊維関連製品は16億8,000万ドル、基礎金属関連13億1,000万ドル、ゴム・プラスティック関連12億ドル、機械・装置を除く加工金属関連11億5,000万ドル、自動車関連部品は10億7,000万ドルを中国からの輸入に依存していた。(2020年2月6日付けヴァロール紙)