社会経済開発銀行はペトロブラスの持株220億レアルを放出

社会経済開発銀行(BNDES)は、ペトロブラス石油公社の議決権付きの普通株9.6%を220億レアルで放出、1株当たり1.5%割引の30レアルで売却したにも拘らず、連邦政府はペトロブラス株式の50.2%を未だに保有している。

社会経済開発銀行(BNDES)のペトロブラスの持株は同社の40%以上の株式保有となっているが、大半は議決権のない優先株保有とグスターヴォ・モンテザノ総裁は指摘している。

2018年から開始されている社会経済開発銀行(BNDES)のブラジル大企業の持株放出計画では、食品加工大手Marfrig社の20億レアルの持株を放出、昨年7月にBNDES銀行総裁に就任したグスターヴォ・モンテザノ氏は持株売却の加速を約束、2022年までの持株の80%放出を進める。

2019年のBNDES銀行は、ペトロブラス石油公社並びに資源大手のヴァーレ社の持ち株売却で159億レアルの資金を調達、今後の持株はインフラ整備部門以内に上下水道事業並びに公共照明部門にターゲットを充てる。

今年の持株放出計画として、今年9月末の持株の市場価値が519億2,800万レアルのペトロブラス石油公社、190億5,500万レアルの食肉メーカーJBS社、33億1,000万レアルのパラナ電力公社(Copel)、鉄鋼メーカーのTupy社が挙げられている。

また昨年12月下旬の持株価値が50億2,600万レアルのスザノ製紙、8億5,900万レアルのクラビン製紙、154億4,400万レアルのヴァーレ社、102億1,400万レアルのブラジル電力公社の持株放出も予想されている。

今年の社会経済開発銀行(BNDES)の民営化プログラムによる持株放出などによる資産売却件数は、300件で資金調達総額は1,500億レアルに達する可能性を経済省民営化・資産売却担当のSalim Mattar長官は説明している。

今年1月の社会経済開発銀行(BNDES)による資産売却ですでに75億レアルを調達、2019年は1,054億レアルの資金調達を行ったとSalim Mattar長官は説明している。

労働者党(PT)が政権を担っていたルイス・イナシオ・ルーラ政権並びにジウマ・ロウセフ政権時に、与党政権に歩調を合わせる形で社会経済開発銀行(BNDES)は業界の有望企業に積極的に資本参加、企業の体質改善や海外進出を後押しして、ブラジル企業の世界的企業育成のために資本参加を積極的に行っていた経緯があった。

BNDES銀行はペトロブラス石油公社、世界3大鉱業メジャーのヴァーレ社、Oi社、CPFLエネルジア社、エレトロブラス社や成長の目覚ましいIT企業などに積極的に資本参加して、世界企業育成の一翼を担っていた。(2020年2月6日付けエスタード紙)

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