先進的な海外投資家がハイリスクハイリターンにも拘らず、ラテンアメリカ地域のスタートアップ企業に積極的に投資を行っているが、最も注目を集めている分野がフィンテックとなっている。
昨年のラテンアメリカ地域のフィンテック分野のスタートアップ企業への投資総額は26億6,000万ドル、そのうちブラジル企業への投資総額は、全体の約50%に相当する13億4,000万ドルと最も注目を集めている。
ブラジルに次いでメキシコ資本のフィンテック企業への投資は3億9,600万ドル、アルゼンチンは1億5,200万ドル、コロンビアへの投資は2,100万ドルであった。
アジアではフィンテック関連投資は下火になってきており、中国では中国モバイルペイメント業界で約54%のシェアを占めているAliPayやWeChatなどの金融サービス「Super Apps」に集中する傾向となっている。
しかし中国の金融サービス「Super Apps」への投資に対して、銀行口座を擁していない人口比率の高いラテンアメリカでは、当分フィンテック関連投資が拡大すると予想されている。
昨年のブラジルのフィンテック分野の投資では、ブラジル国内の消費者向けクレジットカード業界トップのNubank(ニューバンク)には、TCV社並びに Tencent社、 DST Global社、 Sequoia Capital社、 Thrive Capital社、 Dragoneer Investment Groupが総額4億ドルの投資を行っている。
またInter社にはソフトバンクグループが3億4,100万ドル、担保貸付サービスのCreditas(クレディダス)が、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびソフトバンクグループ、Vostok Emerging Finance Santander InnovaVentures などから2億3,100万ドルを調達している。
Uala社はテンセント社並びにソフトバンクグループ、Goldman Sachs、 Soros、 Endeavor Catalyst社、 Monashees社 Ribbit Capital社 Jefferies LLc社から総額1億5,000万ドルを調達、Clip社はソフトバンクグループ並びにGeneral Atlantic社から総額1億ドルを調達している。(2020年2月6日付けヴァロール紙)