今年のGDP伸び率が経済リセッション前を上回るのは12州政府か

Tendencias Consultoria社の調査によると、2020年の州政府のGDP伸び率が経済リセッション前の2013年~2014年の水準に戻るのは、12州政府とブラジリア連長直轄地に留まると予想している。

今年の各州政府は、州政府公務員のサラリー支出が歳出の60%以上を占めている州政府が大半であり、尚且つ高止まりしている失業率や緩やかな国内経済の回復で、公共投資削減を余儀なくされており、また連邦政府による不透明な大型公共投資プロジェクトなどの要因で、州政府の歳入が低レベルに留まると予想されている。

2014年~2016年のブラジルのGDP 伸び率はマイナス6.7%を記録、2017年~2018年の年間平均GDP伸び率は僅か1.3%増加、2019年は1.1%前後が予想されており、2020年のGDP伸び率は米中貿易摩擦などの海外要因に大きく左右されるが、2.1%前後に留まると予想されている。

今年は北部地域並びに中西部地域、南部地域のGDP伸び率は経済リセッション前のレベルに回復すると予想、特に北部地域のGDP伸び率は3.2%増加でブラジル国内平均を上回ると予想されている。

今年の北部地域のGDP伸び率3.2%増加要因として、国内経済回復に伴ってアマゾナス州のマナウスフリーゾーンの製造業部門の生産回復並びに2016年末から操業開始したヴァーレ社のパラー州カラジャス鉱山S11Dシステムの鉄鉱石増産、ヴェネズエラからの移民増加によるローライマ州の経済活性化が予想されている。

経済リセッション中も余り影響を受けなかった中西部地域の今年のGDP伸び率は、レアル安の為替で農畜産物の輸出増加で2.4%増加を予想、ゴイアス州政府は財政再建問題で、今年のGDP伸び率は経済リセッション前に留まると予想されている。

南部地域では今年の南大河州のGDP伸び率は経済リセッション前に留まるが、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州のGDP伸び率は、製造業部門の回復並びに大豆並びに牛肉、鶏肉輸出が牽引してブラジルの平均GDP伸び率になると予想されている。

しかし今年の南東部地域並びに北東部地域のGDP伸び率は経済リセッション前のレベルを2.9%下回ると予想、今年の南東部地域は製造業部門の回復の遅れ、昨年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故で、鉄鉱石生産が大幅に減産でミナス州並びにエスピリット・サント州が大きな影響を受けていた。

2015年11月にミナス州マリアナ市で起きたサマルコ社の鉱山廃水ダムの堤防決壊事故で、鉄鉱石生産が中断していたものの今年下半期から操業を再開、またブラジルの国内経済回復に伴って、ミナス州の製鉄業並びにセメント業の活性化が見込まれている。少ない製造業部門並びに州政府な市町村の公務員を多く抱える北東部地域の今年GDP伸び率は1.9%増加に留まると予想されている。

今年末の北部地域のGDPは経済リセッション前のレベルを4.5%上回ると予想、中西部地域は4.0%増加、南部地域は2.1%増加、一方南東部地域はマイナス2.9%、北東部地域はマイナス3.9%が予想されている。(2020年2月11日付けエスタード紙)

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