ブラジル製造業界は韓国とメルコスールFTAに危機感

今週メルコスールと韓国政府関係者は、ウルグアイのモンテヴィデオで第5回メルコスール・韓国自由貿易協定(FTA)の交渉を予定、ブラジル全国工業連盟(CNI)は、韓国とのFTAが締結されればアジアの他地域のサプライヤーの輸入急増を憂慮している。

メルコスールと韓国は、昨年9月30日~10月4日にかけて韓国釜山で自由貿易協定(FTA)締結に向けた4回目の交渉を実施、FTA交渉では市場アクセス並びに政府調達、サービス、投資、電子商取引(EC)、原産地規則、衛生植物検疫(SPS)などのグループに分かれて交渉、色々な分野でのFTA交渉進展があった。

ブラジル国内の製造業部門では、FTA交渉を歓迎する部門と反対する部門が存在するが、広範囲に及ぶ分野での締結を憂慮しているとブラジル全国工業連盟(CNI)工業開発担当のCarlos Abijaodi理事は指摘している。

世界貿易機関(WTO)の調査によると、韓国は2008年~2019年にかけて輸出促進向け補助金及び不当廉売(ダンピング)では148件が指摘されており、中国に次いで多くの疑惑をかけられている。

メルコスールと欧州自由貿易連合との自由貿易協定(FTA)交渉が昨年8月23日にブエノスアイレス会合で合意、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国とのFTAに次いで、アジアでは韓国が初めてとなるが、非常に競争力のある韓国とのFTAに警戒心を抱いている。
韓国とのFTA締結では輸入関税の完全撤廃には10年間を要するにも関わらず、特に自動車業界では今後10年間の業界のGDP はマイナス1.08%、製鉄業界マイナス0.58%、電機業界マイナス1.11%、プラスティック業界はマイナス0.45%のダメージを見込んでいる一方で、化学業界並びに輸送装置業界、農畜産業界はFTA締結を歓迎している。(2020年2月12日付けヴァロール紙)

 

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