2020年1月の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は441億2,400万レアルの黒字を計上、統計を取り始めた1997年以降では最高の財政プライマリー収支黒字を記録している。
今年1月の中央政府の財政プライマリー収支は予想を大幅に上回る黒字を記録したにも関わらず、今後年末までは継続しないと国庫庁のマンスエット・アルメイダ長官は指摘している。
今年1月の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、前年同月比6.4%増加の1,516億9,100万レアルを記録、一方歳出総額は各省庁の歳出削減効果で3.3%減少の1,075億6,700万レアルに留まった。
2020年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1241億レアルに据え置かれるが、今年1月の地方政府(州・市)への交付金支出総額は、前年同月比10.7%減少の222億7,600万レアルに留まっている。
今年1月中旬の中国湖北省武漢市が発生源の新型コロナウイルス発生の影響で、鉄鉱石や原油、大豆などの農産物の国際コモディティ価格は大幅な下落に転じており、今年のブラジルの輸出の大幅な減少が避けられないと予想されており、今後の中央政府の財政プライマリー収支の行方は不透明となっている。
今年1月の過去12カ月間の中央政府の支出総額はGDP比4.3%に相当する3,199億レアル、そのうち社会保障院(INSS)の年金・恩給受給者受給者向け社会保障院医療福祉制度(RGPS)支出総額は2,190億レアルを占めていた。
毎年1月の中央政府の財政プライマリー収支は伝統的に黒字を記録しているが、2017年1月は200億レアル、2018年333億レアル、2019年313億レアル、今年は441億レアルの黒字を記録している。(2020年2月28日付けヴァロール紙)