2020年2月のブラジルの貿易収支は、1月の17億4,000万ドルの赤字から一転して31億ドルの黒字を計上、しかし中国武漢発の新型コロナウイルスや米中貿易摩擦の影響で今後の見通しが不透明となっている。
今年初め2カ月間の輸出総額は前年同期比4.2%減少の308億ドル、輸入総額は6.5%増加の294億ドル、貿易収支は前年同期比69.8%減少の13億6,000万ドルの黒字に留まり、経済リセッション開始直後の2015年同期の60億3,000万ドルの赤字に次ぐ記録となっている。
今年2月初めに食肉輸出問題が発生したにも関わらず、既に解決しているが、一方で新型コロナウイルスの影響は、今後数カ月間に亘って続くと経済省貿易担当局のHerlon Brandão次長は指摘している。
ブラジル通貨のレアルはドル通貨に対して下落を続けており、輸出競争力には追い風となっており、為替下落の効果は下半期の輸出の収益性を加速させる可能性がある。
経済省通商局(Secex)の発表によると、今年2月の輸出は第一産品が前年同月比26.2%増加で牽引して15.5%増加したものの、今年2カ月間では前年同期比4.2%減少している。
今年初め2カ月間の輸出の内訳では、第一次産品は前年同期比6.2%増加の162億1,000万ドル、半完成品は12.6%減少の40億3,000万ドル、完成品輸出は13.8%減少の105億6,000万ドルであった。
また今年初め2カ月間の輸入の内訳では、資本財輸入は前年同期比33.7%増加の64億ドル、中間財は0.4%減少の159億4,000万ドル、消費財は4.5%増加の40億5,000万ドル、燃料・潤滑油輸入は3.3%増加の30億4,000万ドルであった。
石油並びに鉄鉱石、大豆などブラジルの輸出を牽引する国際コモディティ価格の軒並み下落は、今年初め2カ月間のブラジルの第一次産品輸出には影響しなかったが、今後の第一次産品の輸出総額への影響は避けられなとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。(2020年3月3日付けヴァロール紙)