2019年のブラジルのGDP伸び率は1.1%増加に留まる

3月4日にブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2019年のブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は前年比1.1%増加に留まり、2017年及び2018年のGDP伸び率1.3%増加を下回ったものの3年連続で増加している。

2019年のGDP伸び率1.1%増加の内訳として、農畜産部門のGDP伸び率は1.3%、鉱工業部門0.5%、サービス部門1.3%、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門2.2%、一般家庭消費部門1.8%それぞれ増加した一方で、連邦政府の公共投資部門は唯一マイナス0.4%を記録している。

2019年のGDP総額は7兆2,570億レアル、そのうち農畜産部門3兆2,200億レアル、鉱工業部門1兆3,010億レアル、サービス部門4兆5,900億レアル、国内総固定資本形成(FBCF)部門1兆1,140億レアル、一般家庭消費部門4兆7,120億レアル、公共投資部門は1兆4,720億レアルであった。

また2019年の一人当たりのインフレ指数を差引いた実質GDPは、前年比0.3%増加の3万4,533レアル、昨年の投資はGDP比15.4%と2018年のGDP比15.2%を上回った。昨年の国民の貯蓄総額はGDP比12.2%と2018年のGDP比12.4%を下回った。

2019年第4四半期のGDP伸び率は前四半期比0.5%増加、そのうち農畜産部門マイナス0.4%、鉱工業部門0.2%増加、サービス部門0.6%増加、FBCF部門マイナス3.3%、一般家庭消費部門0.5%増加、公共投資部門は0.4%増加している。

昨年の農畜産部門のGDP伸び率1.3%増加を牽引したのは、トウモロコシ生産は前年比23.6%、棉39.8%、オレンジ5.6%、フェジョン豆生産は2.2%それぞれ増加していた。

また昨年の鉱工業部門伸び率0.5%増加を牽引したのは、電気・ガス・上下水道・廃棄物処理部門伸び率は前年比1.9%増加、しかし昨年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故で鉄鉱石生産が大幅に減産した影響で、鉱工業部門のGDP伸び率はマイナス1.1%を記録していた。

2019年の建設業部門のGDP伸び率は、前年比1.6%増加して過去5年間連続のマイナスから一転して増加に転じた。また昨年の製造業部門のGDP伸び率は、金属部門並びに食品・飲料部門、石油派生品部門の生産増加で前年比0.1%増加を記録している。

昨年のサービス部門の伸び率1.3%増加は、情報・通信部門4.1%、不動産関連部門2.3%、商業部門1.8%、その他のサービス部門1.3%、金融・保険サービス部門1.0%、輸送・倉庫・郵便部門0.2%とそれぞれ増加したが、保健・教育・防衛・社会保障・公共サービス部門は前年並みであった。

また昨年の国内需要の内訳では、一般家庭消費部門は1.8%増加、民間投資(FBCF)部門は、2.2%増加と過去4年間連続マイナスからプラスに反転した一方で、公共投資部門はマイナス0.4%を記録。資本財・サービス輸出は前年比マイナス2.5%、資本財・サービス輸入は1.1%増加している。(2020年3月4日付けブラジル地理統計院(IBGE)サイトから抜粋)

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