新型コロナウイルスの影響低減を狙い中銀がSelicを年利3.75%に利下げ

2020年に世界経済がマイナス成長に陥るリスクが現実のものとして浮上してきていることで、中銀通貨政策委員会(Copom)は3月18日、主要国の対応を踏襲し、ブラジル経済基本金利(Selic)の利下げに復帰した。3月18日にCopomは、Selicを年利4.25%から同3.75%に削減し、国内の政策金利の過去最低記録を再度更新した。この結果、Selicは16か月にわたって据え置かれた後、6度にわたって利下げが進められたことになる。

2月初旬の前回の会議でCopomは、3月の会議では利下げしないと言及したほどだった。ところが新型コロナウイルス(COVID-19)が大陸を飛び越えて感染を世界に広げていることと、過去数週間で市場の置かれた環境が劇的に変化したことを受け、今週の会議では政策金利を新たに利下げするという判断に至ったものである。

この1週間、ブラジル中銀はSelicを大幅に利下げすることへの強い圧力を受けてきた。米連邦準備制度理事会(FRB)が3月15日の臨時会議でFF金利を年利0%―.25%と設定した後、Selicがこれまで以上に大きな水準で利下げされるという予想が拡大した。

2017年12月以降、ブラジルの政策金利は過去最低水準を更新し続けてきた。だがその利下げを経た後でさえ、ブラジルの実質金利は依然としてプラスのままである。

インフィニティー・アセット・マネージメントの調査によると、新しい利率でもブラジルの実質金利は、主要40か国の中で最も高い。言い換えると今後12か月の資金運用は、同じ期間に金融市場が予想するインフレのパーセンテージを上回って収入を確保できるということである。

利下げ後に発表した18日の声明で、Copomは、45日後に行われる次回の会議でこの水準の金利を維持することを示唆した。だが一方で、ブラジルのような新興国の経済を取り巻く状況は、より大きな困難を伴うものになったことも強調した。(2020年3月19日付けエスタード紙)

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