企業の解雇発表が始まる 給与削減には補償へ

小売店とショッピングセンターが店舗の一時閉鎖に踏み切ったことを受け、企業の間では、最大で40%もの人員を削減するという声も出始めた。給与と労働時間が短縮された労働者には、政府から補償が支払われる見通し。

主要都市で新型コロナウイルス(COVID-19)の流行を阻止しようとする試みとして、全国のショッピングセンターに対して営業を停止するよう指導が行われ、3日にわたって市民が自主的に外出を控えた結果、小売業界では業績の見直しとサプライヤーへの支払いの再交渉を進め、3月第4週から従業員の削減を開始する。

ブラジル・サテライト店舗協会(Ablos)やブラジル・バー及びレストラン協会(Abrasel)など経営者団体の推計によると、国内の商業分野では4月末までに5,000人の雇用が削減される。

Abraselのパウロ・ソルムッチ会長によると、業界はこれまでも長期にわたって売上が低迷しており、店舗の閉鎖という事態に至って税金や家賃、給与を支払うだけの現金預金は確保されていないと経営者らは話しているという。「状況は既に劣悪だったが、ここへきてそれが劇的に悪化した」という。

一方、Ablosのチトー・ベッサ・ジュニオル会長は、大半の店舗が3月第4週から4月末までという5週間に及ぶ店舗の閉鎖となり、売上が低迷する月の運転資本を確保するの非常に困難になると断言する。国内に170店舗を展開し1,600人の従業員を抱える衣料小売チェーンTNGのオーナでもあるバッサ・ジュニオル会長は、「私自身、週から当社の従業員のおよそ40%を解雇する」と話す。さらに、「ちょうど清掃会社との契約を終えたところであり、今日19日にはIT分野のサービスを担当する人員を削減した、来週には店舗スタッフを500人削減することになる」と付け加えた。

 

集団休暇

バッサ・ジュニオル会長によると、ショッピングセンターはブラジル国内で、直接と間接を合わせておよそ40万人を雇用している。現在の情な状況が続くなら、この半数の雇用契約が解消される見通しだ。「3日前から店舗経営者らと話しをしてきたが、いずれも、50%、40%の人員削減を実施すると話している。その一部は、集団休暇を実施するが、4月以降、人員削減以外に取るべき道はない」という。

ヴィヴァラとシネマーク、エチナ、レストッケ(ル・リ・ブロンとドゥダリーナ、ジョンジョンを展開)といった企業を顧客に持つタヴァノ・マイヤー弁護士事務所のレオナルド・タヴァノ弁護士によると、クライアントが25%の労働時間の短縮や個別の有給休暇、集団休暇といった人員の削減や代替の手段の導入などを推進するのに対処するため、同弁護士事務所のスタッフらはこの72時間、不眠不休で対応に当たっているという。「私が見るところ、小売業界は、既に業績が不振となっていた店舗を中心に店舗の閉店を薦め、従業員を30%から50%削減するだろう」と同弁護士は話す。

人員の削減以外にも業界は、サプライヤーと支払い期限の先送りや、賃貸・リース契約の再交渉にも取り組んでいる。34店舗を展開する衣料小売チェーンMOBのアンジェロ・アウグスト・デ・カンポス・ネット氏は、「税金、ショッピングセンターのテナント料など、これらは頭の中に入れず、支払わない。私の経営目標は、可能な限り雇用を維持することだ」という。62店舗を展開する衣料小売チェーン、グレゴリーのアンドレア・ドゥッカ氏も、「我々は既に店舗を閉鎖しているので、ショッピングセンターが賃貸料と共益費の請求を停止するか、彼らとの協議を希望している」という。同氏は、従業員を対象に集団休暇を実施する予定で、委託販売員の解雇にも着手する。「とりあえず、使用期間を終えていない従業員を削減する。その数は100人ほどになる」という。

小売マネージング・プログラムFIAのコーディネーターを務めるエコノミストのクラウジオ・フェリゾーネ・デ・アンジェロ氏は、小売業界の経営者らには雇用の規模を削減する以外の道はないと話す。「それは、非常に心の痛い決断だが、それを判断するか破綻するかしかないのだ」と付け加えた。(2020年3月20日付けエスタード紙)

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