正規雇用者向け緊急救済プログラムが与える影響

連邦政府は正規雇用3,360万人のうち勤務時間短縮及び賃金カット、一時的な雇用契約解除に相当するレイオフの影響を被るのは2,450万人に達すると予想。これには雇用修正緊急プログラムが含まれている。

これらのプログラムには勤務時間短縮及び賃金カット、レイオフが含まれるが、レイオフされた場合は100%の失業保険を受け取る。この雇用維持のための正規雇用者向け緊急救済プログラムは近日中に大統領暫定令(MP)として官報掲載直後に発効するが、120日以内に議会での承認を得る必要がある。

正規雇用者向け緊急救済プログラムがなければ1,200万人の正規雇用者が解雇されると連邦政府は予想。しかし正規雇用者向け緊急救済プログラムで850万人の正規雇用が維持されるが、320万人の正規雇用の解雇は避けられないが、通常解雇された正規雇用者は100%の失業保険手当と勤続期間保障基金(FGTS)の積立金の40%に相当する罰金を受け取ることができる。

解雇された正規雇用者は、通常失業保険手当の受給額として最低サラリーに相当する1,045レアル~最高1813.03レアルを受け取ることができる。

全ての従業員は企業側と勤務時間短縮や賃金カットなどの条件を企業側と交渉して書面による合意が義務付けされている。時間短縮や賃金カットの契約期間は最長3か月で企業側は契約期間の2倍の雇用維持を義務付けされている。

また3最低サラリーの3倍の3,135レアル以上の月収の労働者並びに社会保障院INSSの最高年金額の2倍の1万2,202.12レアル未満の月収の労働者は会社側と団体交渉が必要であるが、1万2,202.12レアル以上の従業員とは個別交渉が可能となる。

全ての交渉結果は所属の労働組合に通知する必要がある。また正規雇用者向け緊急救済プログラムの有効期間は3か月間。個人の合意の場合は勤務時間の25%、50%、70%の短縮またはレイオフ。連邦政府による失業保険手当補償比率は、団体交渉の場合は賃金カットは柔軟性があるが、失業保険手当補償比率は決められている。

時間短縮と賃金カット比率が25%までの場合は連邦政府の補償はない。時間短縮と賃金カット比率が25%~49.99%までの連邦政府の失業保険手当補償は25%の場合は25%。50%~69,99%の場合は50%。70%以上の場合は連邦政府は70%の失業保険手当補償を行う。

例として月収が2,000レアルの正規雇用者がレイオフされた場合、失業保険手当は1,479.89レアルであるが、会社側との合意で労働時間並びにサラリーがそれぞれ50%カットされた場合、サラリーは1,000レアル、失業保険手当は739.95レアル、受給額は1,739.35レアルで正規サラリーの87%に相当する。

また月収が3000レアルの正規雇用者がレイオフされた場合は通常1.813,03レアルの失業保険手当を受け取るが、仮に会社側との合意で労働時間並びにサラリーがそれぞれ50%カットされた場合、サラリーは1500レアル、失業保険手当は906.52レアル、受給金額は正規サラリーの80.2%に相当する2,406.52レアルとなる。

月収が7,000レアルの正規雇用者がレイオフされた場合は通常1.813,03レアルの失業保険手当を受け取るが、仮に会社側との合意で労働時間並びにサラリーがそれぞれ50%カットされた場合、サラリー3,500レアル、失業保険手当は906.52レアル、受給金額は正規サラリーの正規サラリーの62.96%に相当する44,06.52レアルとなる。

零細・小企業向け簡易税務申告制度(Simples Nacional)を受けている年間売り上げが480万レアル迄の零細企業の場合、企業はレイオフされた従業員に対しての補償はオプション、連邦政府は失業保険手当の100%支給する。

また年間売り上げは480万レアル以上の中小企業の場合の正規雇用者向け緊急救済プログラムでは、企業側は従業員サラリーの30%、連邦政府は失業保険手当の70%を支給する。企業側と労働時間並びに勤務時間短縮若しくはレイオフした場合、企業側は正規雇用者向け緊急救済プログラムの適用期間は解雇できない。(2020年4月2日のエスタード紙サイトより抜粋)

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