新型コロナウイルス危機で今年の財政赤字は過去最悪か

大半のエコノミストは新型コロナウイルスパンデミックの影響で、2020年のブラジルの財政プライマリー収支は、年初の予想であるGDP比マイナス1.65%からマイナス4.14%と大幅な下方修正を余儀なくされている。中銀が統計を取り始めた2001年以降では最悪の財政プライマリー収支赤字が予想されている。

統計を取り始めた2001年以降で最悪の財政プライマリー収支赤字は、Dilma Rousseff政権下の2016年に記録したGDP比2.48%の赤字であったが、今年の赤字は2016年の赤字を大幅に上回ると予想されている。

連邦政府は今年3月以降に相次いで企業倒産や雇用維持を防止するための救済政策を打ち出して、連邦政府の大幅な財政支出インパクトで財政プライマリー収支赤字の拡大に繋がっている。パウロ・ゲーデス経済相は、企業倒産や雇用維持のための総額5,000億レアル以上の救済政策を発表している。

13日発表の中銀の最終フォーカスレポートでは、今年のインフレ指数を差し引かない名目財政収支はGDP比マイナス9.02%を予想。2015年の名目財政収支のGDP比マイナス10.22%に次ぐ赤字記録となる。

中銀の統計によると、今年2月末の連邦政府の公的債務残高はGDP比76.5%であったが、新型コロナウイルスパンデミックの影響で今後数か月以内に,公的債務残高はGDP比80.0%を突破すると予想されている。

中銀並びに連邦公社を除いた連邦政府並びに地方政府(州・市)の名目公共負債は、米国のムーディーズ社やスタンド&プアーズ(S&P)社などの格付け対象となるために、公的債務残高のGDP比80.0%突破が憂慮される。

13日の中銀の最終フォーカスレポートでは、今年のGDP伸び率をマイナス1.96%に下方修正、また在る金融機関では今年のGDP伸び率をマイナス6.00%と予想。12日の世界銀行は今年のブラジルのGDP伸び率をマイナス5.0%と予想。先週木曜日にゲーデス経済相はマイナス4.0%を予想していた。

今年のサービス部門のGDP伸び率はマイナス3.27%、鉱工業部門のGDP伸び率はマイナス8.90%と予想している一方で、唯一農畜産部門のGDP伸び率は0.90%増加が予想されている。(2020年4月13日付けエスタード紙サイトから抜粋)

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