州政府あるいは市役所に対する連邦政府の支援が拡大していることで、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに伴う危機的状況に直面している企業に対する信用供与は、必然的に縮小せざるを得ない状況に立たされる。経済省のカルロス・ダ・コスタ生産性及び雇用・競争力担当特別局長が4月21日、バロール紙に明らかにした。
その上で同局長は、連邦政府の対策の主眼は小・零細企業(MPE)の救済だとしつつ、社会経済開発銀行(BNDES)が「企業の病院役を務めることはない」とコメントした。
ダ・コスタ局長はさらに大企業に対する支援として連邦政府が照準を合わせているのは、食料品/医薬品以外を扱う小売業界に加え、航空業界と電力業界、自動車業界(自動車メーカーだけでなく生産チェーン全体)だとコメントした。
「国会が地方自治体に資金を振り向ければ振り向けるほど、企業に振り向けられる余剰資金は減少する」とダ・コスタ局長は言う。現在、州政府支援のための包括政策をめぐって連邦政府は議会と意見が対立している。「全ての支援は、納税者の納付した税金から賄われている。連邦政府は、公共部門と民間部門の間で支援のバランスを取るべきと受け止めている」という。
大企業に対する支援策についてダ・コスタ局長は、民間の商業銀行とブラジル銀行(BB)がBNDESと共同でコンソーシアム(銀行シンジケート)を通じて直接的に参画すると強調した。これは一律に特定の業界全体を支援するものではないが、各企業の財務の健全性に関して負債など特定の指標を考慮し、パンデミックがピークを過ぎた後に将来的に雇用を創出できる可能性といったものを加味した上で選定する。
「連邦政府は企業の損失を最小限に抑えることを希望しているが、損失そのものは避けられない」という。
また自身の見解として同局長は、一連の危機からの脱出を、経済の競争力を高めるためにも利用したいというのが政府の意向だと認識しているとコメントした。その一方で、現在の支出が回復の条件を過度に悪化させてはならないと指摘。「極めて困難な判断を迫られる状況だが、私たちの取り組みによって将来、私たちがどうあるのかを決めることになる」と警告した。
「とてつもない規模の危機に見舞われている中、歳出の一部は既に拡大している。だが、それは回復を特徴づける取り組みではない」とダ・コスタ局長はコメントし、自由化に対する経済スタッフの考えが後退してはいないことを明らかにした。さらに、今後も優先的に各種の改革に取り組んでいくと強調した。
加えて、ダ・コスタ局長は、末端、とりわけ中小企業に対する運転資本を提供する取り組みを続けていることにも言及した。「まずは通貨政策で、これから資金が着実に行き渡るようにする必要がある」という。「恐らく資金は大企業、そして資金を確保しているところには届いた」とし、「小企業に対して資金が着実に届くように別のクレジットラインで取り組んでいる」と付け加えた。この取り組みにより「数週間で」企業に資金が提供され始めるという見方を同局長は示した。
同局長によると、小企業に対する解決策は、運用上の最大のリスクを連邦政府が引き受ける形で保証する融資を通じて提供される見通しという。中堅企業へは、雇用の維持という観点を重視した支援策になる見込み。(2020年4月22日付けバロール紙)