コロナウイルパンデミックはサンパウロの賃貸事務所や倉庫契約に足枷

今年初め2か月間のサンパウロの賃貸事務所や倉庫賃貸事業は、ブラジル国内の経済回復の遅れ並びに外出自粛要請でも緩やかな回復を示していたが、3月以降は急ブレーキがかかり、サンパウロ市内の金融街などに面した高級・中級レベルの賃貸事務所並びにサンパウロ市近郊の工業向け貸倉庫の契約の先送りを余儀なくされている。

今年第1四半期は、高級レベルの賃貸事務所の契約は皆無、また工業用貸倉庫の契約の3分の1は先送りを余儀なくされたと不動産仲介業のBinswanger Brazil社は説明している。パンデミック開始後、建設業者が新規倉庫の建設開始は賃貸契約が締結した後と倉庫建設の先送りを不動産関連コンサルタントJLL社は予想している。

既にパンデミック前に、貸倉庫のマーケット拡大はオンライン小売販売の賃貸が牽引していたものの僅かな伸び率に留まっていた。2016年のサンパウロのオンライン小売販売のロディスティック向け貸倉庫のマーケットシェアは24%、2019年は28%と僅かな伸び率を記録していた。

新型コロナウイルス感染拡大以前の中級・高級貸事務所は空室が少なく、価格が上昇していた。“ファリア・リマ大通りの賃貸事務所の1平方メートル当たりの賃貸料は、200レアル以上で空室率は僅か5.0%前後”とJLLのPaulo Casoni取締役は説明している。

パンデミック後の初めの2週間は何事もなかったが、3週間後から貸事務所のテナントは、契約金の再交渉や賃貸料の先送りを要求しだした。“事務所を借りている企業主は、従業員のホームオフィス勤務を評価しており、コロナウイルス問題終焉後は貸事務所の占有率減少は避けられない”とPaulo Casoni取締役は指摘している。

コロナウイルス感染拡大問題は過去20年間で最大の危機であり、仕事並びに消費形態を根底から変え、貸事務所の占有率に重要な変化をもたらすとBinswanger BrazilのNilton Molina Neto社長は指摘している。

“パンデミック危機後、大半の消費者はオンラインショップでの商品購入に慣れ始めており、実店舗での買物は減少する”また多くの企業経営者は、IT企業以外でも色々な分野で、ホームオフィス形態は充分機能する事を認知しだしており、勤務場所や勤務形態の柔軟性に結びつく可能性が議論し始めている。(2020年4月23日付けエスタード紙サイトより抜粋)

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