ブラジルの2020年の財政プライマリー収支赤字は前回予想のGDP比マイナス5.0%からマイナス6.2%に下方修正、ジウマ・ロウセフ政権時の2016年に記録したGDP比マイナス2.48%を大幅に上回る赤字予想、2001年に中銀が統計を取り始めた以降では最悪の赤字が予想されている。
27日中銀発表の最終フォーカスレポートによると、新型コロナウイルのパンデミック並びに政治危機の影響で、2020年のブラジルのGDP伸び率はマイナス3.34%が予想されている。
パンデミック危機による企業の倒産や失業拡大を予防するための膨大な財政支出を余儀なくされているために、今年の財政プライマリー収支赤字は過去最高になると予想されている。
また先週ラヴァ・ジャット汚職事件で辣腕を発揮して注目を集めていた裁判官で、ボルソナロ大統領が三顧の礼を尽くして法務・治安大臣に迎えたセルジオ・モーロ法務・治安相の辞任で、ジャイール・ボルソナロ政権の前途が危ぶまれていることも不透明感に拍車をかけている。
フォーカスレポートでは、今年のブラジルのGDP伸び率をマイナス3.34%と予想している一方で、マイナス6.0%に達すると予想している金融機関の存在する。またフォーカスレポートでは、今年のインフレ指数を差し引かない財政プライマリー収支はGDP比マイナス11.10%に達すると予想、更なる国債発行増加が見込まれている。
今年2月末の対内債務残高はGDP比76.5%であったが、3月からのパンデミック危機の影響で、今後数か月間に対内債務残高は、GDP比80%を突破すると予想されている。(2020年4月27日付けエスタード紙サイトから抜粋)