過去数か月間の石油の国際コモディティ価格は前代未聞の下落を記録している影響で、石油のロイヤリティ収入を充て込んでいる州政府や市町村にとって、大幅な歳入減少の危険信号が灯っている。
新型コロナウイルのパンデミックで世界的な石油需要の減少前の地方政府の今年の石油ロイヤリティ収入総額は334億レアルが見込まれていたが、今では半分の184億レアルに留まるとブラジル石油監督庁(ANP)は大幅な下方修正を余儀なくされている。
新型コロナウイルパンデミックで世界中の石油需要の下落に伴って、週明け20日のニューヨーク商業取引所の原油価格の指標となる米国産WTI原油の先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37・63ドルと、史上初めてマイナス価格で取引を終えていた。
ブラジル石油監督庁(ANP)の統計によると、ブラジル国内の岩塩層下プレソルトで最も産油量が多いのルーラ油田の1リットル当たりの価格は、年初の1.57ドルから0.90ドルと42.6%も下落している。プレソルトのサントス海盆のBúzios油田並びにSapinhoá油田の石油価格も同じ比率で下落している。
リオ州政府では、カタストロフィー的な石油価格の下落で、今年の石油ロイヤリティによる臨時歳入は50億レアルを見込んでいたが、石油価格の下落の底が見えないとLuiz Cláudio Rodrigues de Carvalho財務局長は悲鳴を上げるている。今年第1四半期の石油ロイヤリティの減収は14億2,000万レアルを記録している。
リオ州政府は石油価格下落による歳入減少に加えて、2年前の財政危機の最盛期に、リオ州政府は投資家は1バレル当たりの石油価格が40ドルを割れば、ロイヤリティ収入の前払い契約を結んでいた経緯があった。
リオ州政府の投資家に対する前払い総額は25億レアルに達しているが、財政危機にある州政府は投資家に1年半の支払い猶予で交渉している。埋蔵量並びに産油量とも豊富なルーラ油田を擁するリオ州の海岸都市マカエ市の今月の石油採掘会社からの石油のロイヤリティ収入は2億9,150万レアルが見込まれている。