パンデミック危機による電力消費量の減少で大口需要家が契約条件の柔軟化を要求(2020年4月28日付けバロール紙)

国家電力庁(Aneel)の理事会が4月28日、国内工業の重要な業界が占めるの大口需要家による要請に関する協議を開始した。これらの大口需要家は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下における経済的損失を回避するため、配電会社と署名した電力調達契約で事前に定めた定格を下回る電力消費量を認める柔軟な対応を求めている。

Aneelの理事会は今回、ビデオ会議で協議した。ただし最終的な判断は、アンドレー・ペピトーネ総裁がプロセスの検討要請を提出したことで先送りされた。

電力契約に関連した損失は、大口需要家に限り影響する。大口需要家と同様のメカニズムは一般住宅も対象となる低電圧契約には盛り込まれていない。工業部門など大口需要家に対する電気料金の請求方法に由来する損失で、この場合、想定外の需要の落ち込みが発生するほど損失が拡大する。

工業向けに販売される電力には、2種類の料金体系が存在する。ひとつは実際に消費される電力消費量に基づき算出される料金で、低電圧契約と呼ばれる。もうひとつは、「キャパシティー需要」に基づくもので、必要が生じた場合に大口需要家に大規模な電力の使用を可能にする、追加の電力消費量に関連した料金が上乗せされた高電圧契約である。

使用する可能性がある電力消費量を事前に配電会社に通知するキャパシティー需要という料金体系は、配電業界と送電業界が電力網を強化するために求められる追加の整備コストや投資を担保するのに役立つ。一方で低電圧契約の対象となる消費者の場合、電気料金の構成はよりシンプルだ。すなわち、当該月に消費された電力に比例した一意の金額が料金として請求される。

Aneelの理事会は4月28日の協議で、大口需要家の要望に応じられない可能性があることを示唆した。大口需要家らは最低限、パンデミック危機で事業活動の停止を余儀なくされ電力消費が止まっている期間の請求だけでも先送りすることを保証するよう求めている。

だがAneelの理事会の多くが、この問題を担当するサンドヴァル・フェイトーザ・ネット理事が示した電力調達契約の条件緩和への反対意見に賛同した。この要請を受け入れれば、配電業界のキャッシュ・フローを圧迫するという新たなリスクが発生する。この場合、低電圧契約を交わす他の消費者が、将来的な料金の値上げという形で対策のコストを負担することになる。

フェイトーザ理事は協議で、「ショッピングセンターと宿泊施設、工業部門の一部がパンデミックで大きな打撃を受けているのは明白である。ただ、これらの業界が受ける打撃は電力業界に由来しないパンデミックで引き起こされた経済と金融の複合的な状況に起因している」とコメントした。

また同理事は、支援要請は、様々な業界を支援する経済対策を承認済みの連邦政府に提出すべきだと指摘した。その上で、Aneelが受け取った提案による解決策は配電業界にとって、10億レアル規模で内部留保が消滅する事態を引き起こす可能性があるとコメントした。(2020年4月28日付けバロール紙)
 

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