コロナウイルス危機による延滞率上昇に対応するための貸倒引当金引上げでの影響で、イタウー銀行並びにブラデスコ銀行の第1四半期の純益は前年同期比マイナス40%を記録している。
サンタンデール銀行、イタウー銀行並びにブラデスコ銀行の第1四半期の貸倒引当金を含む経費準備金は、前年同期比51%増加の216億9,300万レアルに達し、ラヴァ・ジャット汚職問題以降では初めてとなっている。
ブラジル中銀は今年9月までの配当金支払いを純益の25%まで制限した影響で、サンタンデール銀行が貸倒引当金を引き上げていればスペイン本社への利益送金は更に減少を余儀なくされていた。
第1四半期のサンタンデール銀行の収益性は22.3%を確保した一方で、イタウー銀行の収益性は前四半期の23.6%から12.8%に半減、ブラデスコ銀行も21.2%から11.7%と半減している。
今年3月末のブラジルサンタンデール銀行の資産総額は、前四半期比16.7%増加の1兆レアルに達して過去最高を記録、前年同期比では24.5%増加している。また今年第1四半期の純資産総額は、前四半期比2.7%増加の699億9,200万レアル、前年同期比では24.5%増加。ラテンアメリカ最大のイタウー銀行の資産総額は2兆レアル近くに達している。