2020年4月のバスやトラックを含む新車販売は、前年同月比76%下落の僅か5万5,700台と1999年2月以降では最低の販売台数を記録、新型コロナウイルのパンデミック危機対応が開始された前月比でも66%と大幅な下落を記録している。
今年初め4か月間の新車販売は、前年同月比27%減少の61万3,800台に留まり、「今年初め4か月間の新車販売台数は28年前の水準まで低下」と自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のAlarico Assumpção Júnior会長は嘆いている。
今年4月の新車販売が76%下落した一因として、必需品以外の小売販売自粛要請の影響で、ブラジル国内販売の26%のマーケットシェアを占めているサンパウロ州の自動車ディーラー店舗の閉鎖で、4月は僅か0.9%の販売シェアに留まった。「この二輪車並びに農業機械を含む7,300カ所の自動車関連ディーラー店舗の閉鎖が継続すれば30%のディーラーは倒産を余儀なくされる」とAlarico Assumpção Júnior会長は説明している。
自動車メーカーはオンライン販売合戦を展開しているにもかかわらず、「ブラジルの一般消費者は未だに自動車ディーラーに行って直接新車を選択する習慣を維持している」とJúnior会長は説明している。
今年4月のトラックやバスを除く新車販売は前年同月比77%下落、また今年初め4か月間のトラックやバスを除く新車販売は27%減少している。
過去2か月間の新車販売の50%下落は、ジウマ・ロウセフ大統領のインピーチメント危機の2014年~2016年の2年間の30%減少を上回っているとコンサルタント会社KPMG社のRicardo Bacellar氏は、コロナウイルス感染拡大の尋常でない影響の大きさを指摘している。
2017年以降の自動車業界は、5年前に達成した年間販売300万台の復帰を目指して回復傾向を示していたいたにも関わらず、今では今年の新車販売は278万台を販売した昨年比で25%~40%減少の下方修正を余儀なくされている。
全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のAlarico Assumpção Júnior会長は、全国自動車工業会(Anfavea)並びに全国部品工業会(Sindipeças)と連邦政府に対して、社会経済開発銀行(BNDES)の特別クレジット枠を要請している。
外出自粛令や小売販売自粛令の影響で、今年初め4か月間の四輪車、二輪車並びに農業機械を含む新車販売は93万900台と前年同期の124万4,000台から30万台以上減少している。
Scania社並びにVolkswagen/MAN社は、ボルボ社と同様に先月27日からトラックやバスの生産を再開。今月4日からルノー社、ボルボ社、DAF社のパラナ州工場並びにBMW社のサンタ・カタリーナ州で自動車生産を再開している。
5月中にはAudi社, FCA Fiat Chrysler社, Hyundai社, Mercedes-Benz社, Nissan社並びにVolkswagen社. またFord社, General Motors社, Honda社, Jaguar Land Rover社, PSA Peugeot Citroën社並びにToyota社が自動車生産の再開を予定している。
今週金曜日に全国自動車工業会(Anfavea)は4月の各メーカーの新車生産台数を発表するが、国内65カ所の自動車工場のうち63工場は3月中旬から生産中止をしていたために、過去最悪の生産台数が予想されている。