民間大手銀行と同様にコロナウイルス危機による延滞率上昇に対応するための貸倒引当金引上げでの影響で、ブラジル銀行の2020年第1四半期の純益は、前年同期比20.1%減少の33億9,500万レアル、前四半期比でも26.6%と大幅減少している。
サンタンデール銀行、イタウー銀行並びにブラデスコ銀行の第1四半期の貸倒引当金を含む経費準備金は、前年同期比51%増加の216億9,300万レアルに達して、ラヴァ・ジャット汚職問題以降では最高の貸倒引当金を余儀なくされていた。
ブラジル銀行では、今年第1四半期の貸倒引当金総額を20億4,000万レアルに設定、内訳は個人向けに11億7,000万レアル、法人向けは8億2,400万レアル、農畜産向け貸倒引当金は4,600万レアルに振り分けた。
今年第1四半期のブラジル銀行の純益は、二桁台の減少を記録した一方で、クレジット残高は前四半期比6.5%増加の7,251億3,200万レアル、今年初め3か月間では5.8%増加している。
今年第1四半期のブラジル銀行のクレジット部門は、法人向けクレジットが前四半期比12.4%と二桁台の増加を記録、前年同期比では5.9%増加、個人向けクレジット部門は僅か1.5%増加、8.6%増加に留まった。
今年第1四半期のブラジル銀行の収益率は、金融関係者の予想12.5%を下回る10.5%に留まった。第1四半期のサンタンデール銀行の収益性は22.3%を確保した一方で、イタウー銀行の収益性は前四半期の23.6%から12.8%に半減、ブラデスコ銀行も21.2%から11.7%と半減している。
今年3月のブラジル銀行の純資産は前年同期比6.9%増加の1,123億1,500万レアル、前年同期比では3.5%増加。また資産総額は、クレジット部門が牽引して前年同期比4.2%増加の1兆5,800億レアル、前四半期比では7.6%増加している。