中銀の統計によると、2020年3月の法人向けクレジットは前月比6.4%増加の1兆5,360億レアル、26セクター中23セクターで拡大しているが、今年2月は僅か10セクターで拡大していた。
今年3月の製造業部門のクレジット残高は前月比7.0%増加。特に新型コロナウイルスのパンデミックで壊滅的な影響を受けている自動車部門のクレジットは31.1%増加。4月の自動車生産は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、全ての自動車メーカーが生産中止を余儀なくされた影響で、前年同月比99.3%減少に相当する1,800台に留まり、統計を取り始めた63年間で最低の生産台数を記録している。
自動車部門のクレジットの31.1%増加に次いで、石油・天然ガス・アルコール部門は19.9%、食品部門14.6%、金融サービス部門13.7%、医薬品・化学部門10.4%とそれぞれ二桁増加している。また製造業部門は7.0%、商業部門6.3%、サービス業部門6.0%、輸送部門5.0%、農畜産部門は4.3%それぞれ増加している。
3月のクレジットで鉱工業部門、サービス部門並びに農畜産部門の26セクターのうち3セクターは前月比で減少、情報通信サービスセクターは9,100万レアル減少、インフラセクターは2億800万レアル減少、公共サービスセクターは5億9,400万レアル減少している。
今年3月の法人向けクレジット残高は前月比923億レアル増加したにも拘らず、923億レアルのうち大半の810億レアルは大企業向けクレジットであった。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響で多くの企業は、銀行にクレジットを要請するも零細・小企業向けクレジットはリスクが大きいので容易ではないと零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)のCarlos Melles総裁は説明している。
連邦貯蓄金庫(Caixa)と零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)は、新型コロナウイルスのパンデミック危機で、外出自粛令や必需品以外の営業禁止で窮地に陥っている零細・小企業並びに個人零細事業主(MEI)の救済目的で総額75億レアルに達する低金利のクレジットを検討している。
零細・小企業並びに個人零細事業主(MEI)向けクレジットの保証として、零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)は80%、連邦貯蓄金庫(Caixa)は20%で検討しているが、Caixaは不渡りを警戒しており、Melles総裁はパウロ・ゲーデス経済相に国庫庁による20%保証を要請している。
先週のブラジル銀行協会連盟(Febraban )の発表によると、3月16日~4月24日の1日平均のクレジットは前年同期比78.0%と大幅に増加している。