今年5月の貿易収支は同月としては2015年以降最低の45億ドルの黒字に留まる(2020年6月1日付けヴァロール紙)

2020年5月の貿易収支は、新型コロナウイルスのパンデミック危機で世界中の貿易縮小の影響を受けて前年同月比11.1%減少の45億4,800万ドルの黒字に留まり、5月の貿易収支では1995年以降では最低の貿易収支黒字を記録している。

今年初め5か月間の貿易収支は、前年同期比17.9%減少の163億4,900万ドルに留まって2015年以降では最小の貿易黒字まで縮小している。今年初め5か月間の輸出総額は、前年同期比4.5%減少の853億100万ドル、輸入総額は0.6%減少の689億5,200万ドルを記録している。

今年5月の輸出総額は、前年同期の1日平均当たり4.2%減少の179億4,000万ドル、輸入総額は1.6%減少の133億9,200万ドルにそれぞれ縮小している。

今年5月の過去12か月間の貿易収支は、440億8,100万ドルの黒字を計上、経済省通商局(Secex)では今年の貿易収支は前年比3.0%減少の466億ドルの黒字計上を予想している。

今年5月のブラジルの輸出量は前年同月比5.6%増加したにも拘らず、国際コモディティ価格の減少で輸出総額は減少したが、世界各国の貿易縮小の中では善戦していると通商局(Secex)のLucas Ferraz局長は指摘している。

今年5月の大豆輸出は1,550万トンで月間記録を更新、原油の輸出は840万トン、粗糖は270万トン、大豆粕200万トン、燃料油160万トン、アルミ地金78万9,000トン、鶏肉37万3,000トン、牛肉15万5,000トン並びにコーヒー輸出量は21万6,000トンであった。

今年5月の輸出量を牽引したのは、アジアを中心とした世界需要の増加並びに価格競争力が牽引した農畜産部門の輸出量が36.1%増加していた。また工業製品の輸出減少をカバーしている。

5月の資本財輸入では、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォームの輸入が影響して前年同月比144.4%増加、一方燃料油の輸入は61.6%減少、消費財は24.3%減少、中間財の輸入は11.0%減少している。

今年5月の中国、香港並びにマカオ向けの1日平均当たりの輸出額は前年同月比35.2%増加、5月の輸出総額のうちアジア向けは27.7%を占めていた。北米向けは39.6%減少、南米向けは41.8%減少、ヨーロッパ向け輸出は4.3%減少していた。

今年初め5か月間の中国、香港並びにマカオ向けの1日平均当たりの輸出額は15.4%増加、アジア全体では16.8%増加、北米向けは23.8%減少、南米は25.6%減少、ヨーロッパ向け輸出は4.0%減少していた。

今年のブラジルの貿易は、農畜産部門のアジア向け輸出が牽引して好調に推移すると予想、しかし工業国からの輸入製品の減少継続をLucas Ferraz局長は予想している。今年の貿易収支は466億ドルの黒字計上が見込まれている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47231