今年4月の鉱工業部門生産は過去18年間で最悪のマイナス18.8%を記録(2020年6月3日付けエスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、新型コロナウイルスのパンデミック危機の影響で、2020年4月の鉱工業部門生産は前月比マイナス18.8%と二桁減少の壊滅的なダメージを被っている。前月比マイナス18.8%は統計を取り始めた2002年以降では最高の減少幅を記録、調査対象の26セクターのうち22セクターで減少したが、15セクターでは過去最大の落込み幅を記録している。

COVID-19パンデミック危機が顕著になった3月下半期から開始された各地方政府による外出自粛令並びに必需品以外の営業自粛要請で、消費の需要低下、製造業部門の生産中止、困難なクレジットのアクセス並びにロディスティック問題などの要因で、製造業部門以外でも多種多様な部門で壊滅的なダメージを受けていた。 

4月の鉱工業部門では、特に自動車工業部門が殆どの自動車メーカーが生産中止を余儀なくされた影響で前月比マイナス88.5%を記録、3月の新車生産の前月比マイナス28.0%と比較できないほどの打撃を被っている。今年4月の失業率は12.6%に上昇して約500万人が雇用先を失っている。

2か月間の操業停止でトラックやバスを含む自動車工業界生産はマイナス91.7%を記録している。自動車工業以外にも壊滅的な打撃を受けたのは飲料業界、繊維、履物、石油派生品、ゴム、非鉄金属、金属製品、電気・情報機器、機械・装置業界となっている。

一方で4月の食品業界部門生産は前月比3.3%増加したが、3月はマイナス1.0%。医薬品・医薬化学品部門は6.6%増加したが、3月はマイナス11.0%であった。石鹸・化粧品・衛生用品部門は1.3%増加,鉱業部門は前月並みであった。

新型コロナウイルスのパンデミック危機の影響で、必需品以外の営業自粛要請を受けて大きな打撃を被ったが、必需品の食品部門や衛生用品部門は需要が拡大していた。2020年4月の鉱工業部門生産は前年同月比マイナス27.2%を記録、特に自動車部門生産はマイナス99.9%を記録していた。

一方で新型コロナウイルス感染拡大向け飛沫飛散防止シートや防止ビニール、注射器、消毒液、洗剤、透析関連機器・装置などの関連工業界では増産体制を余儀なくされている。

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