ヴァーレ社ミナス州の鉱山操業停止で、鉄鉱石の国際コモディティ価格上昇(2020年6月8日付けエスタード紙)

世界の資源大手ヴァーレ社の鉄鉱石生産の10%を占めるミナス州イタビーラ鉱山の労働者200人がコロナ検査で陽性との結果が出たのを受け、ブラジルの労働裁判所は今月5日に同鉱山での操業停止を命じた。

ブラジルでの新型コロナウイルス感染拡大が他の鉱山の操業も中断させ供給不安が増すとの懸念から国際コモディティ商品である鉄鉱石先物が急伸。8日の中国の青島港の1トン当たりの鉄鉱石価格は、4.89%高騰の105.67ドルに達している。

ヴァーレ社ではイタビーラ鉱山の操業停止にも拘らず、今年の鉄鉱石生産は、COVID-19パンデミック危機の影響で1,500万トンの減産を余儀なくされるが、3億1,000万トン~3億3,000万トンを維持すると発表している。

イタビーラ鉱山の操業停止のニュースは、中国の大連商品取引所の9月の鉄鉱石先物取引価格は一時7.0%高騰したが、終値は1トン当たり5.53%増加の110.69ドルを記録している。

イタビーラ鉱山の操業停止で、短期間の鉄鉱石の国際コモディティ価格は高止まりするが、操業再開で鉄鉱石の国際コモディティ価格は、短期間で元に戻るとBTG Pactual銀行では見込んでいる。

年間3,300万トンの鉄鉱石を生産するイタビーラ鉱山は、エスピリット・サント州のツバロン製鉄所にペレットを供給しているが、イタビーラ鉱山の操業停止の影響で、国内市場への原料供給は一時的に減少を余儀なくされる。

昨年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故で、鉄鉱石生産が大幅に減産していたが、ヴァーレ社では年間1,500万トンの同鉱山の鉄鉱石の生産再開を待っている。

また2月初めのミナス州最大の鉄鉱石生産を誇るブルクツ鉱山のラランジェイラス鉱滓用ダムの操業許可停止で40%の鉄鉱石生産の減少を余儀なくされているが、ヴァーレ社では今年下半期からの操業再開を待っている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47253