25日ブラジルとメキシコは、トラック並びにバスの自由貿易協定で暫定的な政治的合意に達したが、完全な貿易関税撤廃は2023年7月1日からと3年間先送りとなった。しかし政治的な合意で自由貿易協定発効すれば今年下半期から徐々に貿易関税の引き下げが予定されている。
ブラジルとメキシコの両国はトラック・バスの自由貿易協定開始を2020年7月1日を目標に交渉してきた経緯があった。ブラジル政府並びにメキシコ政府は昨年3月に自動車自由貿易協定にサイン、両国で現地生産している自動車メーカーは、輸入枠や輸入税などの貿易障害が一切ない自動車貿易が可能となっていた。
ブラジルとメキシコは2002年に自動車貿易協定を締結、2015年に最後の見直しが行われたが、輸入枠制度の5年間の延長、2018年3月からの1年間の輸入枠は両国とも17億ドルであった。
メキシコからの輸入自動車は、ブラジルの輸出向け自動車よりも付加価値の高い自動車が大半、一方ブラジルからメキシコ向け輸出として、Gol車並びにUP車などの低価格の大衆向け自動車輸出が大半を占めている。
政治的合意のトラック並びにバスの自由貿易協定が7月1日から発効すれば20%の貿易関税の削減、2021年7月1日から40%、2022年7月1日から70%の貿易関税の削減、2023年7月1日から免税となる。重量車両向けパーツは発効と共に免税が予定されている。
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスのパンデミック危機のラテンアメリカ地域の貿易大国のブラジル並びにメキシコの自由貿易交渉の進展は、世界及び地域経済活性化に寄与すると貿易局のLucas Ferraz局長は強調している。
2019年のブラジルとメキシコの自動車関連貿易総額は38億ドルに達していた。トラックやバスの両国間の自由貿易協定締結で、今後数年間にブラジルからメキシコへのトラックやバスなどの重量車両の輸出拡大が期待されている。