新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、今年4月のディーゼル燃料消費は底を打ち、5月からは回復傾向を示しているもののパンデミック以前のレベルには達していないとブラジル石油監督庁(ANP)の統計は示している。
穀物の収穫期による農業部門の国内輸送並びに輸出向けトラック輸送が牽引して、今年5月ディーゼル燃料消費は回復傾向になっていると燃料配給業界3位のRaízen社のCláudio Oliveira取締役は説明している。
農産部門のトラック輸送が牽引してガソリンポストのディーゼル燃料販売を牽引している一方で、製造業部門向けトラック輸送は依然としてパンデミック以前のレベルに達していない。5月のディーゼル燃料販売は3月末以前の水準に近付いたが、6月は穀物の輸出増加で更に上昇して、パンデミック以前のレベル近づくとOliveira取締役は予想している。
BR社並びにIpiranga社に次いでブラジル国内のディーゼル燃料販売で17.7%のマーケットシェアを擁しているRaízen社のCláudio Oliveira取締役は、北部地域並びに北東部地域でのディーゼル燃料需要は増加しているが、COVID-19パンデミック対応の外出自粛要請で、都市の公共交通機関のディーゼル燃料消費が僅かに回復したが、今後数か月間は継続して消費低迷すると予想している。
ディーゼル燃料販売で28.9%のトップシェアを誇るBR社の4月のディーゼル燃料販売は、今年第1四半期の平均を5.0%下回っていたが、5月は3.0%上回った。6月は3月並みになると予想している。
ブラジル国内の98%の石油・天然ガスの精油能力を擁するペトロブラス石油公社のAnelise Lara取締役は、今年5月のディーゼル燃料販売は32億リットルとパンデミック前の水準に回復していると説明している。
今年5月のディーゼル燃料消費は前月比8.7%増加したが、前年同月比では9.0%減少、今年第1四半期比では3.5%減少、今年5月の石油派生品販売は43億6,100万リットルに達している。